Monthly Web Magazine Aug. 2016

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カラスの身支度 中山辰夫

最近やや静まったようですが、ここ数年の間、カラスの悪害について世論が沸騰し、その対策が大々的に報道されました。

現在も地域によっては被害が多く、カラスとの戦いはまだ続いていると聞きます。我が家の庭先の畑に育つトマトも色づくと狙われます。

カラスは頭がよくてその対策が難しいようです。近郊で見かける動作からもうなずける部分があります。残念ながらその生態については詳しくわかってないようです。

今月の報告はたまたま出くわしたカラスの一面を写したものです。

京都・建仁寺の塔頭の屋根に降り立った一羽のカラス。何か気になってその姿をカメラで追いました。全くの偶然です。

カラスの種類は『ハシブトカラス』

着地?と同時に、しきりとくちばしや頭を動かし始めました。後ろから見ているのでその動作の様子はあくまで想像です。羽繕いとしか思えません。

全身の羽を片側ずつバタつかせ、しきりとくちばしで手入れします。全身隅々まで身ぎれいするのにかかった時間は約9分間でした。写した画像は90枚。

目だった動作の一覧 (同じ動作を左右・前後で繰り返します) (Am11:38〜11:47)

         

最後の仕上げは?・・・やはりこれでした。

気持ちよさそうに飛び立つカラスに「どこへ行くの?」と聞きたくなりました。が「そんなのわたしの勝手でしょう !」と言われそうで止めました。

「カラスの行水」という諺があります。入浴時間が短く、洗い方も雑なたとえとされ、カラスが短い時間で水浴びをするさまから使われたようですが、羽繕いには随分と時間をかけてとっても丁寧にするんだと感心しました。

『カラスはとっても念入りに何度も水浴びをします。水浴びは体を綺麗に保つのと、夏だと体温を下げる役割をします。水浴びを念入りにして羽繕いをし、尾羽の付け根にある「尾脂腺」から脂を全身に塗りつけます。この脂は水をはじく役目をします。北海道では真冬になると水浴びと雪浴びを繰り返しします』(NPO法人札幌カラス研究会より教えて頂きました) 

今回写したカラスはどこかで水浴びをしてきたようにも思えます。

カラスについてはウイキペデイアにも詳細な報告があります。検索すれば多くの情報が得られます。

たまたま「隙をつくったカラス」と「飽きもせず時間を共にした年寄り」が作り上げた記録?と一人納得しています。

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