JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Oct. 2017

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■ 白駒池御射鹿池栂池自然園  川村由幸

長野に紅葉を愛でに出かけました。

まず向かったのが、最近JRのテレビコマーシャルで名が知れ渡った白駒の池。

上信越道佐久小諸JCTから中部横断道佐久南I.Cで降りて40km、途中から厳しい登り坂を行くと標高2,100mを超えたところにあるのがこの白駒池。

  

2,000mを超える高地にある湖としては日本最大とのこと。池のまわりぐるり一周木道が設置されています。

赤、黄に染まった葉が水に映り、その美しさに感動しました。

ここは、見どころがもう一つ。

  

池の周囲に広大な苔の森があるのです。

多種多様な苔が群生しています。薄暗い森に深緑色の苔、不思議な雰囲気の美しさです。

私が訪ねたのがちょうど雨上がりの朝で苔がよりしっとりと輝いて見えたのかもしれません。

池を一周している間はほとんど人に会うことがありませんでしたが、出口に近づくと大勢の人と出会いました。

駐車場に戻るとすでに車は満車状態、マスメディアの力に改めて驚きました。

ここから、諏訪の方向に下り、又上り返したところに御射鹿池があります。

  

農業用温水ため池で人工物なのですが、運よく風がないと素晴らしい景観に出会うことができます。

紅葉にはいささか早かったのですが、風のない時に訪れることができ幸運でありました。

今は景観保全のために池に近づくことができません。なまじ木道の遊歩道ができるよりもカメラを抱えるものにとってはこのほうが良いように思えます。

この後、諏訪に下りランチ。もちろん鰻をいただきました。

ここまでさんざん、UPDOWNとつづら折りを繰り返したため、山道はこりごりとの相棒の意見でビーナスラインに行く予定はキャンセル。諏訪大社下社秋宮を参拝して、まっすぐ白馬の今日の宿に向かいました。

翌日は栂池自然園を歩く予定で天候がとても気になります。

朝起きると小雨模様で、雲は低く垂れこめていて標高2,000m前後の栂池自然園へ出かける意味がなさそうでした。

まあ、ともかくここまで来たのだからとゴンドラリフトの駅まで出かけると雲の切れ目に青空が見えだしたのです。

ゴンドラリフトとロープウエーを乗り継いで栂池自然園まで行ってみると、

     

まさに錦秋という景色に巡り合えたのでした。残念ながら北アルブスの山々を望むことは出来ませんでしたが、美しい紅葉を堪能し満足しました。3時間前後の軽トレッキングもほとんど苦とは感じす、楽しい思いで歩き切ってしまいました。

朝の天候から諦めることも考えましたが、相棒と二人諦めずに出かけてきたことは僥倖でありました。

今年は特に紅葉の色がきれいだそうで、黄色が主体の中に鮮やかな赤色のコントラストは本当に美しいものでした。

さて、今回も二日で700km走りました。もうすぐ古希、これがいつまで続けられるでしょうか。

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