JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Jan. 2019

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■ おばちゃんカメラマンが行く @出水 事務局

出水のツルの越冬数は一万を超える。世界一のツルの越冬地だ。

 歴史的に見てツルの渡来記録で一番古いのは、1927年(昭和2年)440羽、1939年(昭和14年)には3908羽(内タンチョウ1羽)になっていたそうだ。

戦争中出水に航空基地が在ったため激減し、戦後1947年(昭和22年)には275羽まで減少した。その後1952年(昭和27年)国の特別天然記念物に指定され、ねぐらの整備や給餌などの保護策がとられ、年々増加する。

1992年(平成4年)には10,327羽記録され「万羽鶴」となり現在も11,000羽程度飛来している。

 種類はナベツル約9000羽(世界のナベツルの約8割)、マナツル約3000羽(世界のマナツルの約半数)が大半で7〜8種類のツルが観られる。

 ねぐらの整備と給餌だが、1万羽を超えるツルを保護するためには住民との協力が必要だ。ツル達はエサを求めて田んぼに入り畔を掘り返してしまう。

そのためツルの保護区域として荒崎及び出水干拓東工区の水田を農家から借上げ104ヘクタール の保護区域を2箇所に設置し、ねぐらを作るために川から水を引き込むとともに、毎日給餌を行う。

 給餌は毎日朝7時、1.5トンの小麦とモミ、2月からは北帰行に備え小魚まで提供する。田の二番穂や生き物はツルにとっておいしいごちそうだ。ネットで囲われた保護地域一帯は写真の通り「なんじゃこれ〜」のツル団子状態となる。

一万羽のツルを撮るのは北海道の親子ツルを撮るより難儀だ。シャッターチャンスが多い割には納得がいくものが撮れなかった。毎回残〜念だ。

3月ツル達が北へ帰ると田んぼを耕し畔を修復し、持ち主に返すというとんでもなく大変な保護対策だ。こんなに費用と手間と神経を使う特別天然記念物がほかにあるだろうか?なんせ世界のツルの生命にかかわっているのだから。

 日本人がツルを好きな理由は美しい珍しいだけでは無い。ツルは一生涯相手が死ぬまで同じ相手と生活し、子育ても夫婦共同で行うというところだ。仲睦まじく鳥の割には20〜30年と長生きらしい。

出水平野のツルもここでパートナーを探し北に飛び立っていくのだ。

人間では見分けがつかないが、個性もいろいろあるのだろう。パット見誰でもいいような気がするが、生涯のパートナーは給餌場でビビット来て決める。婚活パーティー場だ。ここならよりどりみどり、当たって砕けろだ。なんと合理的な事か。

人間もツルを見習って、おいしいご飯の前でしがらみを脱ぎ捨て、気の合った人と結婚したら幸せな人生が待っているのかもしれない。越冬鳥と地域共存を考えていたのだが、なんだか話が逸れてしまったようだ。

参考文献

出水市ツル博物館HP

今月のにゃんこ

長崎県雲仙市 神代小路

冬は寒いせいか地域ネコもなかなか外に出てこない。

日向があっても外は寒い。

九州はまだ暖かく、地域ネコがうろうろしていると優しい住民が住んでいる優しい街だろうなと想像させられる。

付かず離れずついてくるがおっとりした猫たちだ。

右ほほを上げてすかした笑い方をするイケメン君だ。

 

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