Monthly Web Magazine Feb. 2019
危険なデスティネーション(目的地)シリーズ、「危険な滝行」、「危険な修験地」に続いて、今回は「危険な動物」の話題。
危険な動物と言えば、通常はヒグマとか毒蛇、スズメバチなどだろうか。
確かに羆(ヒグマ)は命の危険がある。北海道苫前町三毛別での「三毛別人食い羆事件」は歴史的に例を見ない壮絶残忍なもので、吉村昭の入念な調査による歴史小説や映画にもなっている。私がこの事件を知ったのは宮本昭らが編集した「日本残酷物語」でだが、現地には襲撃事件の現場に復元された小屋があり、家の背後には民家に襲いかかろうとするヒグマの像があったりと、やたらリアル感がある。近くの郷土資料館では大型の羆のはく製はもちろん、件の映画が見られるので、興味ある方は訪問に値する。
自分はヒグマと対面したことが無いので真の怖さはわからないが、ツキノワグマでさえ春先の小熊を連れた母熊と対面したときは怖かった。また、島牧村の賀老の滝(滝百選)や江差村のヒノキアスナロ自然林(天然記念物)で新しいヒグマの糞を発見して、現地をおそるおそる歩いていた時にゴソゴソザワザワ音が聞こえ、大いに怯えたこともあった。
毒蛇はやはりマムシが怖いが、幸いなことにまだ咬まれていない。城跡、寺院跡、古墳などの史跡は彼らの天国だから極力彼らの活動期は近づくのを控えるようにしているが、咬まれるのは時間の問題だろう。
意外と怖いのはイノシシだ。巨大なイノシシに出くわすと、彼らの敏捷な動きや土を掘り返す鼻息など、荒っぽい動作に動揺してしまう。 静かにしていれば退散してくれるから被害は無いのだが。
ところが先般、イノシシのワナで怖い思いをした。地元の人に現地への道順を尋ねたら、おもむろに鉄製の跳ねワナを見せてくれ、「山中のいたるところにワナが仕掛けられているから行くな、タヌキなら一発で足がもげるよ。」と言われたのだ。それでも和歌山県で唯一残っている天然記念物を現地調査しないわけにはいかないので、自己責任で現地に入ったのだが、、、
詳しくは和歌山県由良町の門前の大岩(天然記念物)調査にその顛末を記しておいた。
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