JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Apr. 2019

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■  三井寺(園城寺)近辺ブラブラ 中山辰夫

三井寺周辺は桜でも有名です。今年は例年より3〜4日咲き始めが遅れたようです。桜がダメを承知で3日に行きました。

桜の絶景のポイントとされる所も3分咲きで精彩に欠けました。

疏水を巡る遊覧船が就航を始めました。一日の便数も増やしたようですが、予約満杯で人気は上々と聞いております。

  

直ぐ近くに本殿が重要文化財に指定されている三尾神社(室町時代建立)があります。

言い伝えから、 神様のお使いは「うさぎ」とされ、神紋は「真向きのうさぎ」です。

  

手水舎の吐水口・蟇股・瓦紋をはじめ寺域にはうさぎに絡む造りものがあふれており、それを見つけ出すだけでも時間が過ぎます。

三尾神社は三井寺の宗祖・円珍(智証大師)が本社を復興した経緯があり、元は三井寺の鎮守社として明治9年(1876年)に現在地へ移されるまで三井寺の境内にありました。

三尾神社の奥に三井寺の境内に通じる「裏門」があります。昔は正月だけこの門が開けられ三井寺に入れたようです。(有料になるまでの間)

三尾神社側と三井寺側

  

裏門は室町時代の建立で、老朽化が進みカバーをかけられた状態で残されています。この門の上に「見返りの兎」が配置されています。

  

兎は左右に配置されていましたが、一匹は別の場所に保管されています。

三井寺の広大な境内には、金堂を始めとする国宝や三重塔などの重要文化財の伽藍が多く配置されています。

金堂前の参道の中ほどに「村雲橋」という境内で唯一の橋があります。現在の村雲橋は石造で、江戸時代に架け替えられた緩やかな反り橋です。

    

「三井寺の宗祖・円珍「智証大師」がこの橋から西空を仰いだとき入唐中に学んだ長安の青竜寺が燃えているのを感知し、直ちに真言を唱えて閼伽水(あかみず・仏前に供養される水)を撒いたところ、橋下から一条の雲が湧きおこり西に飛び去った。翌年、青竜寺から鎮火のお礼の使者が来たことから、この橋は村雲橋(むらがり立つ雲の橋)と呼ばれるようになった」との伝承が残っているようです。

手前には国宝・客殿のある勧学院の石垣があり、重要文化財である唐院灌頂堂・唐院大師堂への石段道にも近く、村雲橋一帯は三井寺の中でも聖域といえます。

三井寺を始め、寺社には諸々の伝承が残されているようで、それに触れながらのゆっくりとした再訪もありかなと・・と思いました。

  

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