Monthly Web Magazine June 2019
日本史の教科書に登場する白村江の戦いや防人システム。当時の大和朝廷の防衛最前線が対馬の金田城だった。この背後には大宰府を守る水城や補給拠点の鞠智城などがあった。
対馬への旅は何度も挫折している。国際的観光地にもなっておりハイシーズンは宿が取れない。オフシーズンの冬は天候が悪い。
今回ようやく3泊のフェリー旅で訪問することができた。
金田城は事前に調べた情報よりもはるかに奥深いもので、天候にも恵まれ大いに有意義な訪問だった。九州各地の朝鮮式山城との対比も興味深い。
対馬には秀吉の朝鮮出兵の遺産も残るが観光ガイドには掲載されていない。対馬に多く残る近代史の戦争遺産もほとんど知られていない。
ほとんどの日本人が知っている重要な歴史的事象は、教科書に載っていることを丸暗記するだけで精いっぱい。それがどこにあるのか、なぜそうなったのか、その後どうなったのか、今後の国際関係に参考になるか、などの重要な情報は、入試というフィルターで遮断されてしまっており、よほどの歴史好きしか現地を訪問しない。
対馬には多くの文化財があるが、思ったよりも広く、道は曲がりくねっており、各地の美しい街並や海岸風景に魅了されて時間を費やしたこともあり、自然林などの天然記念物を訪問する時間は全く取れなかった。今回は下見で、あと数回訪問する必要がある。
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