Monthly Web Magazine Oct. 2019
■ 一風変わった奉納 中山辰夫
滋賀県栗東に所在の大宝神社(栗東市綣7丁目)の本殿に、カラフルな折鶴が奉納され、ぶら下がっています。(一束40羽)
大宝神社は701年(大宝元年)鎮座の由緒ある古社で、国・県・市指定の重要建造物や文化財を有しています。祭神は素盞鳴尊と稲田姫命。
積雪の境内(2018 1/27 撮影)
ところで、奉納された折鶴は「宝くじのハズレ券」で作られています。宝クジはカラフルな印刷がされています。そのため奉納時は色鮮やかです。
折鶴の上には、供養と当選祈願を込めて記された祈願カードや絵馬が添えられています。
2年前から始まった奉納は一回に折鶴が約3千羽~7千羽使われています。
奉納するのは県内に多くの売り場を持つ宝くじ販売店です。当選番号が発表されるたびにハズレ券が大量ゴミ箱に捨てられます。
再生利用策の一環として、各販売店が当選祈願の折鶴作りを行うと共に、購入者にも呼びかけ折ってもらって始めたようです。
「大宝という名前が縁起いい」と沢山のハズレ券を持ち帰り折鶴にして持参される宝くじフアンが増えているようです。
約7cmの正方形に切り取ったハズレ券を折るのは大変な作業と思います。当選の願いを込めながら・・・折っておられるのでしょう。
ご利益の程は分かりませんが、ドライヴスルー方式を一番最初に採用された売り場が神社近くにあり、売上は好調とのこと。
宮司さんも「いろんな思いで神社に興味を持ってもらうのは嬉しいこと」と話されています。
蛇足ですが、日本宝くじ協会によると、平成29年度宝くじの売上は7,866億円。当選払い戻しは46.9%の3,690億円、発売元である全国都道府県及び20指定都市への納入が38.1%の2,996億円、印刷・販売経費が1,082億円の13.8%、社会貢献広報費が98億円の1.2%です。
当方には縁の無い話ですが、高額当選者が毎年確実に生まれています。
大宝神社文化財
国重要文化財-追来神社本殿
1284(弘文6)年棟札現存 鎌倉期 一間社流造としては日本最古の意向とされる。
国重要文化財―木造狛犬一対(追来神社 鎌倉初期)と滋賀県指定文化財-木造狛犬一対(1321~3年作)
国重文指定の狛犬は、日本を代表する形の木造狛犬。現在は京都国立博物館に委託。現在各地に現存する石造狛犬のモデルにされました。
明治43年にロンドンで開催の日英博覧会や昭和51年のシアトル・ニューヨーク神道美術展に出品されました。
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