JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Dec. 2019

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■   エジプト旅行  中山辰夫

何となく最後の海外旅行はエジプトと決めていましたので、10月11日~18日の間、家内と一緒に行ってきました。体力・気力の点で少し不安でしたが快調な旅で終わりました。アスワンの一日だけエジプトらしい炎熱の日でしたが、残りの日々は何の抵抗もない気温でした。

帰ってからまだまだ行けるな~の思いを持ちました。

事前の準備が十分でなく、勿論言葉も通じず、100%現地のガイドさんの説明に頼るだけでした。がBC3000年頃から建造された遺跡の数々には圧倒される毎日でした。

数々ある遺跡・遺物の中の一つ、「ラーヘテブとネフェルト(妻)の像」第4王朝(BC2613 ~2588年頃)にはビックリでした。

    

1871年の発見です。エジプト美術史上最高傑作の一つとされているようですが、美しい色彩がそのまま残っているように見えました。

ネフェルトの頭にはヘアバンドが巻かれ、花模様で飾られています。当時の筆遣いもはっきり分かる鮮明さでした。特にこの像で一番驚いたのは目でした。水晶とガラスで象嵌されていて、本当の目のように光っていました。この像をメイドゥームのマスタバ内で見つけた発掘隊は、暗闇に光る目を見て逃げ出したといわれてますが、それほどリアルでした。 

足元の子どもの仕草や全体の描写も、5000年もの時の隔たりを感じさせない作りでした。他で見る遺跡や遺物もすべて同じ思いがしました。 

 

古代エジプトの至宝はエジプト国内・外で多く見られますが、今までに発見されたのは数10%に過ぎないようです。最近も「神官の墓」や「ライオンのミイラ?」発見の貴重な情報が報道されました。ギザの三大ピラミッド傍の大スフィンクス像の下部にも何かが・・ともいわれ、目が離せません。

 

ツタンカーメン墳墓を上回る貴重な大発見が待ち遠しいです。

折りも、国立科学博物館(東京)では「特別展ミイラ」が開催されており、その関連記事が毎週報道されています。

そうした情報に触れながら、薄れゆく旅の思い出を少しでも長く持ち続けたいと思いつつ毎日を過ごしております。

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