JAPAN GEOGRAPHIC

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■ 二面性?? 酒井英樹

日本には「三(大)○○」というものが多く存在する。「日本三景」「日本三名園」「日本三大祭」「徳川御三家」などなど・・・。
その一つに「日本三夜景」というものがある。北海道函館市(函館山)、兵庫県神戸市(摩耶山)、長崎市(稲佐山)の夜景が昭和の中頃(1950年代)に選ばれ広まった。しかし、これらの夜景は町の灯りの集合体。時の移り変わり・・町の変化などで時々刻々変化している。半世紀以上経つと変化が大きい・・はず・・。そのため、数年ごとに夜景鑑定士・・こんな資格が存在するとはびっくり・・千数百名による投票で決める「日本新三大夜景」というものがある。
最新の順位は、長崎市、札幌市、北九州市、神戸市、東京都、函館市、大阪市の順になる。大都市有利な人気投票の感も否めないが、函館、神戸(ともに100万ドルの夜景??・・表現が古すぎ・・)に得票数で勝った札幌市の夜景がどのようなものか訪れてみた。

 ロープウェイと「もーりすカー」(ミニケーブルカー)を乗り継いで藻岩山へ

ロープウェイ
  

もーりすカー


藻岩山のマスコットキャラクター『もーりす』
 

   エゾリスをモチーフに誕生したキャラクターで、「も」と鳴くため『もーりす』と呼ばれているんだとか・・・。
 
藻岩山山頂展望台(標高500m)
 

藻岩山展望台からの札幌市中心部を望む
    
    
藻岩山展望台から札幌テレビ塔を遠望
 


 続いて、大通公園の札幌テレビ塔の展望台へ
  札幌テレビ塔

  展望台からの夜景
    

  大通公園
 

   中央奥に大倉山ジャンプ(ラージヒル)台が見える

  大倉山ジャンプ(ラージヒル)台を遠望
 


 テレビ塔から帰り道、時計台がトワ・エ・モワの『虹と雪のバラード』に乗せて時計台を7色で照らすムービングライトショーが行われていた。
時計台(昼間)
  

  7色で照らされた時計台(夜間)
           


 夜の顔という昼間との違いを見ることに堪能しながらも、これ良いのかというもう1人の自分がいる・・。

 宇宙ステーションから見た真夜中の日本・・あかるく輝く光で日本列島の輪郭がはっきりと表されている。
 コロナ渦での飲食店の時短で夜遅くの営業が出来なくなって困惑・・って言うけど・・元々夜遅くに飲食することが普通ではなかったはずでは・・。
 少し前まであった夜の暗闇、音一つない静寂を今は失い・・利便性をもとめそれが普通になって・・これらを容易に想像できなくなっている自分自身の感覚が恐ろしく思う。

 だが静寂を求めながらも、大阪への帰路・・伊丹空港へのアプローチで窓から見下ろす大阪市内の夜景がほっとする思いとともに夜景が札幌に負けていないことを喜んでいる自分の二面性の方がもっと恐ろしい・・。

大阪国際空港アプローチ前の飛行機からの大阪の夜景
  
 そんなことを少し考えさせられる札幌滞在であった。
 

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