JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine May 2021

Back number

 


■■■■■ Topics by Reporters


■ 松前の桜はちょっと違う 瀧山幸伸

20年ほど念願だった松前の桜をようやく鑑賞することができた。

歴史文化豊かな松前だが、ここの桜は全国有数の内容が豊かな桜だ。詳しくは各自調べていただきたいが、主な違いは以下のとおりだと思う。

違いその1 種類が多く長期に鑑賞できる

数が多いだけの桜の名所とは違い、多数の桜が1か月にわたり咲き続けるので見ごたえがある。

違いその2 野の花と一緒に咲く

色とりどりの花と桜の競演が美しい。

違いその3  ソメイヨシノと八重咲が同時に咲く

この夫婦桜はソメイヨシノと南殿。

違いその4 一本のあでやかな血脈桜から生まれた品種が多数

血脈桜はまさしく先祖となっている

   

 

 


■ ドイツ航空宇宙センターによる世界遺産の衛星写真  野崎順次

10年以上前である。2010年9月下旬にヨーロッパに出張した。その往路にケルン(ドイツ)で泊まった。大聖堂の近くだったような記憶がある。そのあたりにドイツ航空宇宙センターの役割と活動を説明する施設があった。ドイツ航空宇宙センター(DLR)は、ドイツ連邦共和国の航空宇宙技術を担う政府機関で、航空、宇宙、エネルギー、交通ならびにセキュリティーに関する研究開発を行い、各分野において国内外で共同研究を進めている。さらにDLRはドイツ政府の委託により、ドイツの宇宙活動を計画・実施している。

そこに世界遺産の衛星写真も展示されていた。主なものを接写したので、今頃になって、紹介しておきたい。

ヨーロッパ
1 ドイツ ケルン大聖堂
2 イタリア ローマ バチカン行政区画
3 オーストリア ウィーン歴史地区
      

ヨーロッパ(続き)
4 スウェーデン ラポニア地域
5 アイスランド シングヴェトリル国立公園
6 デンマーク領グリーンランド イルリサットアイルフィヨルド
      

東欧、アジア
7 クロアチア ドブロブニク旧市街
8 カザフスタン 北部サルヤルカの大草原と湖沼群
9 バングラディッシュ シュンドルボン 世界最大のマングローブ天然林
      

中東
10 トルコ イスタンブール歴史地区
11 イスラエル エルサレム旧市街
12 シリア ダマスカス旧市街
      

中東(続き)
13 イエメン サナア旧市街
14 オマン ファラジ灌漑システム
    

アフリカ
15 エジプト ギザのピラミッド
16 チュニジア チュニスのメディナ旧市街
17 ケニア ケニア山岳国立公園
      

アフリカ(続き)
18 タンザニア キリマンジャロ国立公園
19 タンザニア ンゴロンゴロ保全地域
20 コンゴ オカピ野生生物保護区
      

北米
21 アメリカ フロリダ州エヴァーグレーズ国立公園
22 アメリカ ハワイ火山国立公園
    

南米
23 ブラジル 中央アマゾン保全地域群
24 ペルー チャン・チャン遺跡
    

オセアニア
25 ニュージーランド トンガリ国立公園
  

 


■ 蟇股あちこち-13 中山辰夫

鎌倉後期の1300年代に入ります。今月は石上神宮摂社の出雲健雄神社拝殿・本山寺本堂・太山寺本堂・長保寺本堂・多宝堂・浄妙寺本堂・他を紹介します。


■白岩は磐座?  大野木康夫


今年の1月に野崎さんが山科の諸羽神社を取材されていました。
諸羽神社は私の地区の氏神で、コロナ前は毎年、祭礼に参加していました。
野崎さんは本殿裏の磐座と琵琶石に興味を持たれていましたが、諸羽神社の背後、諸羽山には白岩と呼ばれる大きな岩が露頭しています。
私が子どものころ(昭和40年代後半)は、私が住んでいるところから諸羽山を見ると、二つの峰つなぐ尾根部分の真ん中に白岩が光って見えており、何回か、疏水のところから直登して白岩の上で昼寝をしたことがあります。
今回、白岩を訪問してみました。

山科駅から見た諸羽山

現在は子どもの頃の直登ルートは閉鎖されており、右手のピークを越えて尾根伝いに白岩に行くようです。
雑木が茂って白岩は全く見えなくなっています。
 


諸羽神社参道

神輿巡幸の際には、鳥居2箇所とJRの高架下は神輿を腰持ちで通過します。
       

二の鳥居の手前右手の斜面を登った疏水公園から諸羽山に登ります。
    


少し急な山道ですが、ピンクのテープを頼りに登れば迷うことなく諸羽山の頂上に出ます。
     

頂上から尾根伝いに下ればすぐに白岩が見えます。
  

40年以上前の記憶では、白岩はすべすべしていて寝ころびやすかったのですが、今回訪問したら、割れているのか、ごつごつして寝心地が悪そうでした。
白っぽい大岩がゴロゴロしています。
       

少し木立が切れているので、山科盆地北西部を眺めることができます。
    

白岩は、磐座かどうかはわからないのですが、かつては盆地の中心部から仰ぎ見ることができたのですから、信仰の対象であってもおかしくないような気がします。
諸羽山から、安朱の集落を挟んで西側の山並みの上には、平安時代に大規模な山岳寺院(上の安祥寺)が創建されたこともあり、何らかの宗教的な意味付けはされていたように思うのですが。


■ 重要文化財が消える???  酒井英樹

 最近、文化財保護法の一部を改訂を検討する動きがあります。
 第二次世界大戦後の昭和25年に制定された文化財保護法では有形文化財(建造物、彫刻、絵画、書籍、工芸品)は重要文化財に指定することができ、重要文化財のうち世界文化の見地から価値が高いものを「国宝」に指定されるとされている。
 同様に記念物(遺跡、名勝地、動植物および地質鉱物)は「史跡」「名勝」「天然記念物」、内重要なものは「特別史跡」「特別名勝」「特別天然記念物」の二段階指定制度を取っている。

  「国宝」の指定は明治30年(1897)に制定された『古社寺保存法』にまで遡る。
  このとき「國寶」は主に古社寺が所有する彫刻や絵画などを指定し、古社寺の建造物は主として「特別保護建造物」として指定されている。


 『古社寺保存法』の下で指定された建造物

   法隆寺金堂 【奈良県斑鳩町】
 


   住吉大社本殿(第一殿) 【大阪市住吉区】
 


   薬師寺東塔 【奈良市】
 

   唐招提寺金堂 【奈良市】
 

   東大寺転害門 【奈良市】
 

   醍醐寺五重塔 【京都市伏見区】
 

   広八幡神社本殿 【和歌山県広川町】
 


  『古社寺保存法』では文字通り古社寺所有の物件のみが対象。古社寺以外の重要な建造物や旧家所有の絵画等が対象とならないため、指定範囲を広げた『國寶保存法』が昭和4年(1929)が制定された。
  この際、「特別保護建造物」は「國寶」と統合されて指定名称は「國寶」に統一さえた。


 『國寶保存法』の下で指定された建造物

   松本城天守 【長野県松本市】
 


   八窓庵(旧舎那院忘筌)【札幌市中央区】
 

   多久聖廟 【佐賀県多久市】
 
 

  旧閑谷学校講堂【岡山県備前市】
 

   尾山神社神門 【石川県金沢市】
 

   吉村家住宅 【大阪府羽曳野市】
    


  上記の通り第二次世界大戦後、混乱期に生じた法隆寺金堂壁画焼失や鹿苑寺阿弥陀殿(通称「金閣」)放火などを鑑み、昭和25年(1950)に現在の『文化財保護法』が制定された。
  前法の『國寶保存法』で國寶に指定されたものは、全てが一旦「重要文化財」に指定され、上述の通り重要文化財のうち新たに「国宝」に指定されている。


 『文化財保存法』の下で指定された建造物


   歓喜院聖天堂 【埼玉県熊谷市】
 


   正倉院正倉 【奈良市】
 

   旧東宮御所 【東京都港区】
 

   東京駅丸ノ内本屋 【東京都千代田区】
 

   豊稔池堰堤 【香川県観音寺市】
 

   船頭平閘門 【愛知県愛西市】
 

   天城山隧道 【静岡県河津町】
 

   日本橋 【東京都中央区】
 

玉陵墓室 【沖縄県那覇市】
 

  この際、國寶所有者から「うちの本尊が國寶から格下げになった」という抗議や現在でも重要文化財指定建造物の前に『國法○○寺』という石碑が残っていたりと多くの混乱が生じた。

  今回、検討されている詳細は不明だが、有形文化財の指定名称を記念物と同じように統一することがあげられる。
  「重要文化財」をなくし「国宝」に名称変更、現在の「国宝」を「特別国宝」へと名称を変更することになる。

  指定物件をとっても昭和25年時の数倍の数に上る。
  石碑や看板、パンフレットやHPなどWEB上の変更するだけで前回の混乱を上回ることが容易に理解できる。
  『文化財保護法』指定後70年以上たった現在でも「國寶」と「国宝」を混同されている。
  このことから、文化財所有者の団体などからは反対の声が上がっている。

 今回の件に関して詳細が不明な点が多く、今後わかり次第報告していきます。
  
   注、本文は便宜上『文化財保護法』以前に指定された物件を旧字体の「國寶」と表記し、現在の「国宝」と区別しております。

 


■ オオルリやキビタキの季節    田中康平


この季節、夏鳥の到来を心待ちにします。中でも目玉はオオルリとキビタキです。姿もいいし声もいい、これを聞くと春も極まった感じがします。
今年も鳥の姿も一応見れたし録音もできましたが、写真は決まらず録音もよく録れたとは言えず、年齢を重ねると、何をやるにも以前の様な集中が出来なくなってきたようにも思えてきます。
そんなことはさておき録音は、後で聞くとその時の情景がそのまま思い出されてやはりいい様に思います。それにレンズを鳥に向けると鳥の方でもそれを直ぐ察して身構えるのが分かるのですが録音ならそんな懸念は低くて気持ちよく鳥の世界に浸れます。
録音では背景に木材作業の音が入ったり小川のせせらぎがうるさいほどに入ったりもしますがそれも受け入れて聞くのがいいようです。

写真は 1:オオルリ 2:キビタキ (いずれも福岡市油山市民の森にて 2021.4.20)

  


録音は1:オオルリ 2:木材加工の横で囀るオオルリ
3.糸島市千寿院の滝遊歩道で囀るオオルリ
4:キビタキ
1,2,4:2021.4.20福岡市油山市民の森にて収録
3:2021.5.4 糸島市にて収録

webmag-tanaka-202105-1.wav

webmag-tanaka-202105-2.wav

webmag-tanaka-202105-3.wav

webmag-tanaka-202105-4.wav


  ■ 絞りを変化させて撮影  川村由幸



大きな花を中央重点フォーカスで撮影すると花の中心部はビントが合っていても花びらの先端はビントがずれていて何となく不満の残る画像となってしまうことが多くありました。
そんな時に絞り値を変化させて焦点の震度を深くして(ピントの合う範囲を広くして)撮影すれば良いことは承知していました。でもにそれを実践したことはありませんでした。
なかなか撮影に出かけられないことから、近所の花壇で実験してみました。
実験の内容は

撮影機材:α7Ⅲ FE24-240 中央重点フォーカス 三脚使用 リモコンシャッター使用 2秒セルフタイマー
撮影手順①PモードAUTOで一枚撮影 ➁Aモード F10 F14 F20 F25 F29で五枚撮影

これを4種類の花で行いました。その結果が下の画像です。
      


ピンクの苧環ですが、F14,20当たりが花全体にピントが合っていていい感じですかね。当然一眼の特徴である背景のボケ感は絞るほどになくなってゆきます。
F29が最も広範囲にピントがあっているはずなのですが、絞れば絞るほど光量が減少しシャッタースピードが遅くなります。
撮影したのは風がないと思われる早朝でしたが風で花が微妙に揺れたようです。
      


これもF14,20がベストでしょうか。Pモードでは花びらの先端にボケ感があり、私がよく感じる今一つだな~という画像です。
苧環の時にはあまり感じませんでしたが、この画像ではAモードにして色調が変化したように思います。
理由はよくわかりません。
      


今回はF14,29てすね。中央の密集したおしべF29がベストです。風の影響を受けていてF値に沿った画像になっていません。
町中の花壇ではありますが自然の影響を受け、メカの指示通りの画像が撮影できるわけではありません。
また、背景が見え出すと鬱陶しい感も出てきます。Pモードのヌケ感も捨てがたいものです。
最後はたくさんの花が咲いている場合です。
      


この場合はF10,14ですね。撮影していた私の印象でもいくらか風が吹き出し、花びらが動いていたようです。
このような構図の場合、できるだけ多くの花にビントが合っていたほうが思うのは素人だからかも知れません。
ただ、単純にF値を大きくすれば、広範囲にピントがあった画像が撮影できるわけではないようです。
野外で撮影する以上、風や明るさ等も考慮に入れないとメカの設定だけで思うままの画像は撮影出来ないようです。

今回の実験で風のない太陽の出ている明るい野外で一輪の大きな花を撮影する場合、Aモード(CANONはAvモード)で
装着レンズにもよると考えますがF10~20程度に絞りを設定して撮影するのが良さそうだということは理解できました。


■ 看板考 No. 98 「チッソリンサンカリ♪」 柚原君子


所在地:岐阜県中津川市


小学生の頃に理科で習った『チッソリンサンカリ』は植物の育成に欠かせない三大肥料です。
チッソは別名『葉肥え』とも言われ、植物の下葉が枯れてきたらチッソ不足。逆にチッソを過剰に与えると実がならずに枝が伸びるだけ伸び、葉だけがワサワサ茂ります。

リンサンは別名『実肥』。不足すると葉が赤茶色になり結実の大きさは望めません。

カリはカリュームの略で別名は『根肥え』です。根の発育にしっかりと働きます。根をきちんと張った植物は寒さや病気にも強くなりますから育ちには欠かすことができません。

現在はこれらが混ざった総合肥料を売っていますので、下肥や追肥として施します、ベランダ菜園くらいであれば、土の管理さえしっかりしておけば作物はそこそこ育ちます。

我が家のベランダは今年はサヤエンドウ、小松菜、水菜、大葉、パセリで総合肥料をの追肥などでまあまあ育っています(都会でも虫がいるので、出たばかりの小松菜の芽はほとんど虫さんに(-_-;))。

さて、当該看板は岐阜県中津川市の中山道沿いにありました。住友化成の肥料の一覧表みたいな看板。うめやさくらという平仮名は梅の木や桜の木専門の肥料ということでしょうか。硫安(りゅうあん)は硫酸アンモニウムでチッソ系の肥料。尿素肥料も窒素のことのようです。リンサンカリってこんな字を書くのかしらと見入りました。

『住友化成』は今から108年前の大正初期に愛媛県で創業されています。創業から10年後に『住友肥料製造所』として独立。昭和に入って『住友化学工業』。戦後になっては『日新化学工業』、その後の平成16年に『住友化学』にという推移です。

昭和45年頃からバイオテクノロジ-の言葉が出てきて、近年では遺伝子組み換えやクローン技術も模索されています。地球上に生きる多くの命を救ったり守ったりするには必要であるかもしれませんが、時代は何処まで行くのだろうかと思ったりもします。
チッソリンサンカリ♪♪
お題目のように覚えているこの言葉。今の小学生も言っているのかなぁ、それともバイオがさぁ、なんて言っているのかな?





■■■■■■■■■■■■■■■■■

Japan Geographic Web Magazine

https://japan-geographic.tv/

Editor Yukinobu Takiyama

info at japan-geographic.tv (atを@に入れ替えてください)

■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中