JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Apr.2022


■ 『春告げ鳥』を追いかけて 2022  =メジロが目白押し???=  酒井英樹

 立春を過ぎて泣き始めた鶯を3年目の今年も追いかけてみた。
 仕事の合間の時間をみつけて、撮影を試みているが警戒心が強く声は聞こえるが姿を現さず・・。
 更に悪いことに昨年の春移動した身・・撮影場所が変わって仕事場からの移動時間がかかることから撮影する機会が減ったこともあり・・桜(ソメイヨシノ)が満開になっても3シーズン目は空振りが続いている・・。

 『梅に鶯』・・見た目の美しい梅と声の美しい鶯の取り合わせ・・二つのものが調和したり似合ったりすることのたとえ。
 鶯は意外と地味な色(灰褐色)・・緑色(鶯色???)の美しい小鳥はメジロ・・。
 春になると・・咲き乱れる花の蜜を求めて飛び回る・・メジロ・・もう一つの春告げ鳥・・。
 警戒心が緩く・・一心不乱に花の蜜を味わっているメジロを追いかけた。

満開の河津桜とメジロ(Zosterops japonicas)

                    
 
 メジロは目の周囲の白色部(アイリング)が、和名の由来で、室町時代からメジロと呼ばれている。
 雌雄ほぼ同色・・胸元の黄羽の配色が違うらしい・・が、素人目には区別が付かない。
 鴛(オシドリ夫婦は間違い、鴛の番はその都度変わる)や鶯とは異なり、メジロは非繁殖期は群れで行動するが、繁殖期(繁殖期は5月~7月)は番で行動し必ず同じ番同士で繁殖をする。
           

 群れで行動するメジロは「チイ」や「ピィ」に聞こえる短い地鳴きのいくつかのバージョンを用いてコミュニケーションを図っていると言われている。
 一般に「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛(ちょうべい、ちゅうべい、ちょうちゅうべい)」と表現することが多いメジロの囀り・・。
 鶯と異なり複雑な囀り・・かつては鳴き合わせの大会があるほど・・ウグイスと比べ遜色のない美しさだとか・・。
 何気なく聞き及んだことはあると思うが、改めて聞いてみたいと思い・・
           


 話が変わるが、私事ながら周りの勧めに乗せられて・・一昨年撮影したウグイスの写真(2020年6月WEB-MAGAZINEに投稿済)を某芸術展に応募した結果、入選してしまいました。
 

 撮影時には記録写真でしかなかったのですが・・Japan Geographicの「フォトコンテストの作風を追わない」に心ならずも反してしまったようで・・。
 撮影時・・写真はあくまでも記録で芸術ではないという自分の考えと再挑戦しようと頭のかたすみに浮かぶ今の自分の二面性が少し怖くなってきている・・。

間もなく始まるであろうメジロの繁殖期・・そのとき囀る彼らの恋歌に耳を傾けようと思う・・・きっと何も考えることなく撮影する自分がおそらくいるだろう・・。

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