Monthly Web Magazine Sep. 2022
■ イザベラ・バードと樽前山 瀧山幸伸
北海道の樽前山には2回登った。その理由はいろいろあるが、
火山活動が活発で溶岩ドームとともに地理学的に興味深いから
イザベラ・バードの「日本奥地紀行」で彼女が登り、絶賛していたから
麓からもフェリーからも空からも、いずれも姿が美しく、老若男女を問わず登りやすいから、
などだ。
イザベラ・バード(後の英国地理学会会長)が白老のアイヌ酋長宅を訪問し、そこから樽前山に登ったのは1878(明治11)年。その4年前の1874(明治7年に樽前山が噴火しており、その時に中央火口丘と溶岩ドームが吹き飛ばされていたので、バードが登った時には山頂は大きく深い噴火口となっていた。その後1909(明治42)年溶岩ドームを生成し、北海道の天然記念物に指定される今日の特異な姿になった。実に興味深い山だ。
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