Monthly Web Magazine Nov. 2022
■松島で日本庭園の原風景を調べる 瀧山幸伸
先日、改めて松島をじっくりと調査した。調査とは言っても、観光船で湾内を一周したあとで有名な観光スポットを巡ったので、修学旅行生や団体観光客からは同類に見えていたのだろうが。
まず、湾内一周の目的は、日本庭園のモチーフとなった特別名勝の景観をしっかりと記録観察することだ。遊覧船からは名高い名勝スポットが見え、船の進みに応じて刻々と変化する景観が興味深い。
船からの景観に加えて、陸上の著名な展望地点からの名勝景観も重要だ。五大堂、観瀾(らん)亭、雄島、西行戻し松などが主要スポットだ。
結論から言うと、自分は雄島が最も好きだ。まず、観光客がほとんど来ないこと、他のスポットに比べ、松島の古くからの歴史の主要な舞台であったこと、 自然景観が美しいだけでなく、島内各地に存在する石洞付近の石造物など、人文景観と自然景観が渋く調和していることに感銘を覚えた。
桂離宮をはじめ各地の大名庭園など著名な名勝庭園との共通なモチーフを徹底的に比べると面白いだろう。
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