Monthly Web Magazine Nov...2024
■蟇股あちこち 55 中山辰夫
今月は上野東照宮、寛永寺五重塔、寛永寺本坊旧表門・両大師堂です
上野東照宮は、1651年(慶安4年)に造営され、社殿(金色殿)は、国の重文に指定されており、金箔できらびやかに装飾されています。
徳川家光による改築のときに、徳川御三家をはじめ全国の大名が奉納した灯籠が、今でも数多く残っています。
日光東照宮の陽明門を模した透かし彫りのある唐門や、石造明神鳥居など歴史的建造物の数々を見ることができます
1651
■神楽殿 建立:明治7年(1874年) 入母屋造 銅板葺 深川木場組合が奉納 比較的簡素な建物 屋根の勾配が美しいとされます
参道を挟んで御水舎が両側に建っています。
■手水舎 切妻 銅板葺 柱は石材 妻飾りは大瓶束 参道左側に建っています。
■手水舎 切妻 銅板葺 赤く彩色されています。妻飾りには緑色の板破風 参道の右側に建っています
ここから社殿に入ります。
唐門、透塀、社殿(金色殿)のすべての彫刻は金箔で覆った上から岩絵の具で彩色を施す生彩色(いけざいしき)と呼ばれる手法が採用されており、さらに
文様は膠と胡粉を混ぜて盛り上げた部分に彩色を施す置上彩色が施されています。いずれも伝統的で豪華な彩色方法です。
■唐門 国重文 建立:
慶安4(1651) 桁行一間、梁間一間、四脚門 向唐破風門、銅瓦葺
□正面側
唐門の左右に透塀、背後の屋根は拝殿 ここまでは無料に地域です 錦鶏鳥(きんけいちょう) 銀鶏鳥(ぎんけいちょう)
□正面細部
正面妻面 中備に蟇股 妻飾りは大瓶束、左右に松に鷹の彫刻
頭貫には唐獅子の木鼻
門扉 金色の桟唐戸 両脇の欄間 題材は昇り竜と下り竜 (左甚五郎の作とされます)
□背面側
□背面細部
背面妻面
□木鼻
□背面側
門の側面は二間 彫刻がビッシリ施されています
□柱間には松の彫刻
■透塀 国重文 建立:慶安4(1651) 一周延長八十九間、銅瓦葺
唐門の左右に建って社殿を囲んでいます。欄間に彫刻が配されています
□欄間柱間の彫刻 上部と下部に施されています。
透塀に描かれた彫刻数は257枚ともいわれ、上段には鳥や動植物を、下段には海や川の生き物、海鳥や蛙、魚介類など多数の絵柄です。
□彫刻例
■銅燈籠 50基
■社殿(金色殿)
拝殿・幣殿(石の間)・本殿
金色殿(社伝)は、1627年(寛永4年)に創設された金色殿を、1651年(慶安4年)に日光に倣う金色殿に建替えられたのが、現存する金色殿です。
権現造で豪華な彫刻が施されています。金色殿全面には鷹、周囲には牡丹、側面には鳳凰と格式が高いとされる動植物の彫刻が見られます。
社殿については外部から見える所しか撮影してません。
撮影した各社殿身舎の蟇股と欄間彫刻を並べます。
■拝殿向拝部分
□向拝の唐破風 小壁に大破風、その前に唐獅子の彫刻、大瓶束の左右に鷹と松の彫刻
□正面の蟇股
□木鼻と手挟
■本殿 国重文 慶安4年(1651 桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、銅瓦葺
壁は金箔で陽が当たるとまばゆいばかりに輝くとされます。床は拝殿、幣殿よりも高くなっています。 屋根は扉、壁がすべて金箔しあげです。
□腰組
縁の下にあって、円を支える役目を果たしている斗?が腰組と呼ばれます。
上段の方が手前にせり出しており、これが3段あるので「三手先」の斗?とよばれ、赤漆仕上げとなっています。
■蟇股は3個配されています
□蟇股
■幣殿 国重文 慶安4年(1651) 桁行三間、梁間三間、一重、両下造、銅瓦葺
拝殿と本殿の間で、土間床の建物です。「石の間」とも呼ばれます。柱や壁は金箔で日に当たるとまばゆいばかりに輝くとされます。
屋根は扉、壁がすべて金箔仕上げです。柱間は三間です。柱・壁面・縁側の脇障子も金箔です。
□中備の蟇股は3個配されています。 両脇に花の彫刻が施されています
■拝殿 国重文 建立:慶安4年(1651) 桁行七間、梁間三間、一重、入母屋造、千鳥破風付、正面向拝三間、軒唐破風付、銅瓦葺"
唐門の後方が拝殿
□拝殿千鳥破風、妻飾には蟇股や虹梁大瓶束、屋根に千木
■側面(幣殿と接続部分)
□蟇股が3個配されています。長押は彫刻されています。
□正面部分 欄間に鳳凰、蟇股は花鳥の彫刻で、梅に鶯、左右に菊の彫刻
□蟇股は3個配されています
□蟇股と長押の彫刻
□母屋正面 七間、中央の三間は桟唐戸 桟唐戸は二つ折りで、表面は金箔
拝殿の扉にはいくつかの枠あり、今井の扉に4つの円形模様が入っています。
これは仏教のシンボル「法輪」です。上部のデザインは、幣殿とは異なり菱形のくみあわせです。
拝殿の正面から側面にかけての長押しの上には彫刻が2面入っています。
直ぐ上には桔梗と躍動的な鳳凰とみえるとり。その上の枠の彫刻は、蟇股の中に小鳥、周囲は「百花の王」こと、牡丹の花の構図、彫刻も透かし彫り、非常に凝った、装飾的なデザイン
□身舎正面には蟇股が3個並んでいます。
□側面 三間 柱間は何れも蔀戸
□蟇股が3個配されています
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中