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滋賀県甲賀市 甲賀町

Koka, Koka city,Shiga


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Aug.2010 撮影: 中山辰夫

甲賀市 甲賀町

甲賀忍者発祥の地として知られ、“鹿深の里”と呼ばれた歴史豊かな町である。奈良や京都との交流も盛んであったことから、仏教文化が栄え、いちいの観音様でしられる本尊の木造十一面観音像をはじめ、多くの仏像を有する檪野寺、毎年5月一日におこなわれる

油日祭で知られる油日岳を伸体山とする油日神社など古社寺も多い。

忍者の生活をうかがい知ることが出来る甲賀の里「忍者村」がり、また、江戸時代から副業として発達してきた甲賀売薬の伝統が今もなお受け継がれている。

甲賀市の中央やや東寄りに位置、北は水口町、北から東にかけて土山町、西は甲南町、東から南にかけて三重県関町、南は伊賀町、阿山町に接する。

中央部は古琵琶湖層からなる丘陵と、それを開析する杣川(そま)・檪野川・大原川・佐治川などがつくる谷部とに分かれる。

JR草津線が杣川に沿って走り、甲賀と油日に二駅がある。草津線に沿って県道・草津—柘植線が走る。

近江と伊賀との国境にあたり、京都や南都にも近い交通の要衝であった。壬申の乱で大海人皇子と近江朝廷郡が戦っている。

古代から中世にかけて大原庄が成立。

油日岳を神体山とする油日神社は「三代実録・元慶元年(877)」に記録が残る。油日の北にある檪野寺には10世紀後半の観音像が安置される。

伊賀国の篠ケ岳(さき)から勧請したとされる大鳥神社にも同時期の神像が伝わる。

中世期後期、小領主は「郡中惣」を組織する。大鳥神社、油日神社の祭礼も風流を伴ったにぎやかなものとなった。

豊臣政権の成立後一部の村が水口岡山(現水口町)城主領となる。

江戸時代になって幕府領や旗本堀田領などのほか、旗本和田領など当地出身者の所領も見られる。

大鋸高・大工高を有した村や東海道の土山宿、坂下宿(現関町)の助郷村も多い。

明治22年(1889)の町村制施行で、大原村・油日村・佐山村が成立。昭和30年(1955)三村が合併し甲賀町となった。

油日神社・大鳥神社・檪野寺・阿弥陀寺その他、天台宗・浄土宗の寺院が多い。それらには国宝、重要文化財の建築物、仏像、石造品が多く収蔵されている。

甲賀武士団の居城も多い。甲賀忍術の里でもある。

一度は訪れて欲しい地域である。

甲賀駅

駅前には忍者の銅像がある。平成17年(2005)に新装された甲賀駅の駅舎には、階壇や壁に潜む忍者の絵が描かれ、この街らしさを表し、旅行者の目を惹いている。

忍術村

甲賀市甲賀町隠岐

甲賀の里忍術村は、広大な敷地内に志能備神社・忍術博物館・からくり屋敷。手裏剣道場といった施設が点在しており、周囲は鈴鹿山麓の原生林に囲まれ、昔ながらの隠れ里の雰囲気をかもしだしている。

甲賀忍者発祥の地で、自然を満喫しながら、みずからが忍者になった気分で楽しめるとされる。

甲賀忍術博物館

甲賀忍術者の歴史と講堂を探ることを目的に昭和58年に設置された。

建物は茅葺民家の保存もかねて、甲賀忍者と関係ある家屋を移築し、展示場として整備された。

館内には、忍術三大秘伝書「万川集海」をはじめ、各流派の手裏剣、水器、火器など忍者の代表的な武具を収録展示、その他足利義昭が甲賀武士に協力を要請した書状や、滝川一益が地元大原同名中に当てた書状を展示している。

からくり忍者屋敷

甲賀忍者の子孫である「藤林家」の旧家である。一間変哲もない旧家に見えるが、様々な仕掛けが隠されてある。

手裏剣道場

本格的な手裏剣が体験できる。

霧隠荘

忍術バーベキュー、他の食事が出来る

その他に、手作り道場や。忍者道場がある。

志能備神社

名も知れずに亡くなっていった忍者達を祀っている神社である。甲賀大国天は江戸時代初期に作られた木造では日本一の大きさを誇る。

著名な文化財一覧(仏像分野・個別の報告物件は除く・国および県指定文化財に限定する)

蛍光寺

甲賀市甲賀町大原上田

木造十一面観音立像

国指定重要文化財

像高:110.3cm、ケヤキ材一材 漆箔、平安時代

木造聖観音立像

市指定文化財

ケヤキ材一材、古色彫眼の立像、平安時代

木造地蔵菩薩半跏像

市指定文化財

像高:66.2cm、黒漆塗り

木造毘沙門像

市指定文化財

像高:101.4cm、寄木像、彩色彫眼、鎌倉時代

大岡寺

甲賀市甲賀町隠岐

木造薬師如来坐像

国指定文化財

像高:132cm、カヤの彫眼、金箔を張った漆箔、平安時代

木造十一面観音立像

県指定文化財

像高:106.9cm、けやき堅一材、平安時代

木造地蔵菩薩立像

市指定文化財

像高:89.8cm、ヒノキ材、顔に白亳水晶をつける彫眼像、鎌倉時代

大福寺

甲賀市甲賀町岩室

木造聖観音立像

県指定文化財

ヒノキ材縦一材で彫成する、平安時代

光明寺

甲賀市甲賀町五反田

木造十一面観音立像

国指定文化財

像高:103.2cm、ヒノキ材一木造、彩色立像、平安時代

香蓮寺

甲賀市甲賀町隠岐

木造阿弥陀如来坐像

県指定文化財

像高:38.3cm、一木造、平安時代

安楽寺

甲賀市甲賀町小佐治

木造地蔵菩薩立像

像高:91cm、一木造、彫眼の立像、平安時代後期

妙音寺

甲賀市甲賀町小佐治

木造聖観音立像

県指定文化財

像高:171cm、ヒノキ材一材、彩色、平安時代

福明寺

甲賀市甲賀町高峰

木造地蔵菩薩坐像

県指定文化財

像高:109.1cm、ヒノキ寄木像、鎌倉時代

木造薬師如来座像

市指定文化財

像高;104.2cm、ヒノキ一材、鎌倉時代

木造阿弥陀如来坐像

市指定文化財

像高:113cm、鎌倉時代

参考資料《甲賀市史、甲賀を紐解く、他》

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