滋賀県湖南市 白山神社
Konan Hakusanjinja
Category
|
Rating
|
Comment
|
General
|
|
|
Nature
|
|
|
Water | ||
Flower |
|
|
Culture |
|
|
Facility | ||
Food |
Dec. 2009 撮影/文: 中山辰夫
湖南市東寺631主祭神:猿田彦大神 長寿寺の山門をくぐり、左側に道を取るとすぐに白山神社の鳥居がある。前方の参道は一直線で両側には楓や松が並ぶ。
イチョウの落葉を踏み、紅葉を眺めつつ進むと境内となる。社殿は木々に囲まれたやや高台にあって、長寿寺の本堂の西側になる。
白山神社は、長寿寺の鎮守社であった。創建は貞観年間(859〜875)とされる。
寿永2年(1183)源頼朝が長寿寺と共に当社も再興したと伝えられている。
社殿は山よりの東向きに三社、これを一宇の鞘堂で覆っている。
拝殿は国重要文化財、所有する板絵著色三十六歌仙扁額八面は県指定文化財である。
主たる建物:祭器庫、手水舎 境内社:2社 境外社:2社
拝殿
1572 建築
国重要文化財:建造物:指定 1959・06・27
間口三間、奥行三間、桁行、梁間三間、一重、入母屋造。桧皮葺
拝殿は室町末期の真四角な建物。四方にぬれ縁をめぐらし、吹き返しの柱間に格子戸をはめている。
柱上部の舟肘木やまばらな屋根がたる木なども簡素軽快な感じがする。屋根が軽快である。
天井は一面の平面をなす鏡天井で格子戸には裏板がないから簡素で明るい。
全体として棟や軒などの反りが美しく、縁も適当な大きさに作られ、美しい姿をしている。中世・室町時代の優れた拝殿の一つである。
内部に飾られていた三十六歌仙の裏に永享8年(1436)の銘があった。細部様式からこのときの造営とみられる。
本殿
一間社流造、間口一間、奥行一間、覆屋あり
石段上に鎮座している。やや離れた位置から見ることになる。
三十六歌仙の板絵
県指定文化財
今回の訪問では歌仙額の確認はできなかった。
以前は、拝殿の四方の長押(なげし)にガラスの額縁に納まった板額が掛かっていたとある。板絵の歌仙額は大変珍品とのこと。
四方に二面ずつ八面であるが、一面に四歌仙を描いたもの四面、五歌仙を描いたもの四面ずつである。
そして西(本殿に対して正面)の間から左右に十八歌仙ずつ配し、みな中央に向く坐像の姿である。
人麿像を描く板の裏面に墨書銘が残っており、永享8年「1436」の製作とわかる。
板絵額一面の大きさは縦が36cm、横幅が185cm。絵師は土佐派の筆とされている。
今回の訪問では歌仙額の確認はできなかった。建築史上重要とされるのは長寿寺の鎮守である白山神社の拝殿である。
長押(ながし)に掲げられていた三十六歌仙の額は、竪挽き鋸(たてびきのこぎり・大鋸(おが)で挽いた現存最古の板であり、永享
8年(1436)の銘がある。絵は宮廷絵所預(えどころあずかり)で、土佐光弘の筆による。これによって、室町初期にはこの地で製材が行われていたことが判明し、甲賀大工座の先進性が推察される。
竪挽き鋸はこの時代以降、急速に普及し、薄板の生産が可能となり、日本建築に革命的な変化を及ぼした。
これによって天井板や縁側、板塀が張られるようになり、山間地では板商売が勃興し、都市住民に板を売り歩いた。
「近江から日本史を読み直す 今谷明氏より抜粋」参考資料:「滋賀県神社誌」、「歴史と文化 近江」「総覧 日本の建築」「近江歴史散歩」「パンフレット」「古道紀行」より抜粋
Nov.2009 撮影:瀧山幸伸 source movie
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中