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東京都国分寺市 武蔵国分寺、国分尼寺跡

Musashikokubunji,Kokubunji city,Tokyo

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May 2011 酒井道夫

72歳の老人にとって、一日一万歩のノルマを達成するのは容易なことではありませんが、それでも近頃は徒歩による行動範囲がかなり拡大されました。

昔、もう半世紀も以前のことになりますが、大学の考古学研究室で発掘の人足を募集しているのに応じて、武蔵国分寺の脇に位置する国分尼寺の発掘に駆り出されました。

自宅から、この辺りを経て、国分寺金堂跡まで行って帰ってくると、それでやっと一万歩散歩が達成されます。

「文化財案内図」は、いまどき珍しく杜撰な管理状況で、我自治体の文化財政策に対する意識の低さを象徴しています。

  

恐らく尼寺金堂か講堂跡の礎石郡だと思うのですが、一応礎石が全部納まっているのが不思議です。私が人足として駆り出された当時、この礎石跡の一つを掘り出す役を与えられましたが、その際はすでにほとんどの礎石は持ち去られていて、その跡の穴ボコだけを掘らされ

ました。どっかの料亭で、庭石かなんかになっていて話題になったことがありますね。

    

ところで、礎石跡をどの辺りまで掘り進んでいいか迷っていたところ「オイ、あんまり景気良く掘ってしまうなよ」と声を掛けられた記憶があります。私が掘った穴ボコはその後測量がなされ正式の文化財記録として文化庁報告書に残されているそうです。それで良いんでしょうかね。それにしても、現在どの穴にも礎石が嵌まってのは不思議だ。

尼寺跡から、JR武蔵野線を越えていくと国分寺市立四中の体育館があります。

古い寺院建築の屋根構えを意識したようなデザインが施されていて、そのために却って貧相な印象を受けます。心無いやっつけ仕事の意匠は困ったものです。この中学出身者からは決して優秀な建築家は生まれないでしょう。ちなみに、私の息子はここの卒業生です。 

 

 

国分寺金堂跡地です。ここは結構昔からこの通りの状態。礎石も一つ、二つが残るのみで、却ってインチキ臭くない。本当はどうなのかは知りませんが。

   

ほとんど見るべきものもない武蔵国分寺跡ですが、それでも天気の良い日には、お年寄りの年齢層を中心に、散策の人たちで賑わったりしています。この近辺に湧き水があったりするですが、この辺りはもう少し解像力の良いカメラで再チャレンジします。

 

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