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トルコ共和国 エフェス都市遺跡とアルテミス神殿
Ephesus and Artemis, Turkey

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Feb.2011 撮影/文:中山辰夫

エフェス遺跡からパムッカレへ
Ephesus〜Pamukkale

 

アイワルクをスタートする。窓外は松林とオリーブの木が続く。その間の草原に放牧された山羊の群れを見る。
トルコ最大の年中行事、犠牲祭(クルバン・バイラム)にも山羊は欠かせない。トルコにとって山羊は貴重。
    

イスラム教徒の多いトルコでは豚肉を食べない。肉といえば普通羊肉で、トルコの羊肉は上質で食べやすく、美味しい。
特に、ラム(仔羊)は柔らかく、ジュ-シ-で、匂いも少ない。
シシ・ケバブは羊のモモ肉を串刺して炭火で焼いたもの。シシは串、ケバブは焼肉を指す。香ばしくて美味い。
一皿の量が意外と少ない。
  

仔羊の皮は革製品にとって貴重である。ソフトで柔らかく、軽くて馴染みやすい製品を手にしてビックリした。
とても革製品と思えない。絨毯用にも羊毛は重要。
  

青く光るエーゲ海をうっとりと眺めているとベルガモに着く。
 

ベルリンの有名なベルガモン博物館はベルガモの出土品が展示されている。ベルリン必見の博物館といわれる。
ベルガモの歴史は深い。アレクサンダー大王の遺産を継いだ王国が存在した。見所は沢山あるが通過のみだった。
エジプトからパピルスの供給を断り、パピルスにまさる新しい紙、羊皮紙が生まれたところとガイドが教える。


イズミール 
トルコ第三の人口をもつ。近代的な港湾港都市として発展中。周辺の遺跡やリゾートへの基点である。

アイワルクからイズミ-ルを通過して、3時間ほどでエフェスに到着した。
エフェスは宿泊施設がないので、セルチュクが観光の基点となる。市内には聖ヨハネス教会やエフェス博物館がある。

「エフェス都市遺跡」−一千年を越える繁栄を誇った古代都市国家 
  



バスを下りるとみやげ物売りの露店が両側に並ぶ。山側をみるとすぐに遺跡が目に飛び込む。
一千年を越える繁栄を誇った古代都市の出現である。
    

60数年前、「世界の文化史蹟」を見開いて驚いていたその場面が目の前にある。案内通りに巡る。
 

案内通りに巡る。
 

南入口より入る。
国営アンゴラ(広さ160m×56m)
紀元前1世紀後半に造られた国家管理下の集会場。政治や文化、宗教の重要行事が執行された。
 

競技場
巨大なアーチ門 西暦1世紀に造られた競技場への入口。200m以上のトラックでの競技や見世物が繰り広げられた。
 

ヴァリウスの浴場
2世紀に造られた豪華なローマ浴場跡。山側の自然に削られて滑らかになった岩盤を壁に利用した。
貧富の差なく利用できた。冷水・温水・熱水浴室、マッサージ室があった。
   

オデオン(小音楽堂)
2世紀中ごろに建てられた。収容は1400人程度。保存状態は良好である。
   

プリタネイオン
エフェスの象徴たる女神ヘスタの聖火が数世紀にわたり、日夜灯り続けた場所。聖火を守るのはプリタンと呼ばれた。
  

ドミテイアヌス神殿
ローマ皇帝ドミテイアスがエフェスに自分自身を祀る神殿の建立を許し、造らせたもの。頭部・祭壇は別の場所で展示。
  

いよいよ大理石のクレテイア通りへと向う。
   

トラヤヌスの泉とヘラクレスの門
2世紀に造られた、クレテイア通りの中央の北側にある。皇帝トラヤヌス捧げられた泉。壁の窪みには、皇帝像の足の一部が現存している。ヘラクレスの門のアーチには女神二ケが彫られていたが、今は下に落ちた。
   

ハドリアヌス神殿
138年ごろ完成した、裕福な市民クインテイウスが皇帝ハドリアヌスに献上した神殿。美しく繊細な装飾が施された2つのアーチの頂上部には市の女神テイケ(前)と、メドウ-サ(後)が彫られ、壁面にはエフェス建国の伝説(複製)にちなむ猪やアマゾン族、アルテミスなど(複製)が四部構成で描かれている。現物はエフェス博物館に展示されている。
      

通りを隔てた向かいの一角に、タイルを敷き詰められた道路がった。
   

セスス図書館
エフェスで一番優美な建築物。この地の統治者であったセルススを偲び、息子テイベリウスが建立したもの。
117年完成。1万冊を越える蔵書を誇った。263年ゴート人の襲撃により焼失。
知識・学識・聡明・高潔を象徴する4体の像(複製)が壁に立つ。柱頭と梁には細部まで繊細な装飾を凝らしている。
           

マゼウスとミトリダテスの門と商店跡
商業アゴラのある南門にあたる。マゼウスとミトリダテスは皇帝アウグストスの奴隷だったが、解放され経済的成功後、両名が紀元前3年頃、皇族一族に寄進したもの。セルスス図書館と商業地区を結ぶ。
  

公衆トイレ
1世紀に造られた水洗式公衆トイレ。便器前の溝にも手洗い用の水が流れていた。横の仕切りは無く話しながら排泄していた。
   

娼館への案内図
大理石通りの中ほど、商業アゴラ付近にあるのが娼館案内図。足は方向、十字は十字路、女性は娼婦ハートは愛を意味するといわれる案内図。
  

大理石通り
パナユル山麓を巡り、アルテミス神殿へと通じる聖なる参道の一部。この通りの下には下水道設備が整っていた。
傾斜部は大理石に穴を穿ち、スベリ止めを施した。
    

大劇場
収容人員2万5千人を誇った。ヘレニズム〜ローマ期でも最大級の古代劇場。紀元前3世紀に完成。
観客席の高さ:38m、広さは直径158mの半月形。今も夏にはここで多くの催しが開かれる。
      

港通り(アルカデイアン通り)
港から大劇場へと続く幅11m、長さ500m、のプロムナード。紀元前1世紀に造られた。
両側にはアーケード付の商店が立ち並び、夜には街灯が灯いた。アントニウスもクレオパトラも歩いたとされる。
    

エフェスは小アジア最大の古代都市遺跡群。
ギリシャ時代には小アジアの最大の都市国家として君臨した。当時の繁栄振りを伝える数々の遺跡が残る。
野外劇場、図書館、アゴラ、浴場のほか、公衆トイレの跡も見られる。

紀元前11世紀イオニア人による都市国家がエフェス近郊に成立。当時はエーゲ海沿いに開けた良港だった。
しかし紀元前287年リシマコス帝の治世下、生命線である港が土砂崩れで埋まり、疫病も発生。
ついに帝はコレッソスとピオンの丘に挟まれた盆地に遷都を決定。それが現在に残るエフェスである。
紀元前2世紀はローマ帝国の属領となり、帝国有数の都市として繁栄を謳歌した。
また、紀元前33年、クレオパトラがローマのアントニウスを助けるために200艘の船とともに上陸したという。
聖母マリアがキリストの死後余生を過し、聖パウロが布教に努めた結果、キリスト教にとっても重要な町となった。

エフェス遺跡からの発掘品は「エフェス博物館」に展示されている。その数は2万5000点あるとのこと。
そのうち1000点が展示されている。
   

アルテミス女神の彫像
 
胸には豊穣を表す卵形の乳房がびっしりとぶらさがり、頭部から脚部にかけて、再生・豊穣を意味する蜂や鹿 獅子などが刻まれた姿。両脇には偶蹄類の動物を従えている。2世紀 

アルテミス神殿
ギリシャ神話における狩猟の女神「アルテミス」が祀られている壮麗な神殿。
イエス・キリストの12使徒の一人ヨハネは聖母マリアを伴いここに住んだとされる。
   

今は湿地に一本の円柱が建っているが、ここに古代7不思議の一つに数えられる神殿があった。
神殿は世界で初めての総大理石造りで、高さ19m、127本の円柱が並ぶ壮大なものであった。
神殿は紀元前356年の火災の後に再建。3世紀、ゴート人の侵入で破壊されて以後は、荒れ果てた。
石材は他の建築物用に持ち去られ、今は基礎部が湿地に埋もれている。
夏にはコウノトリが円柱に巣を作る。

イ- サ・ベイ・ジャミイ
  
1375年に建立。建築にアルテミス神殿の柱が一部使われている。

聖ヨハネ教会
   
ヨハネは聖母マリアとともにエフェスへ伝道に来てこの地で亡くなり、このアヤスルクの丘に埋葬された。

世界の7不思議
ギザの大ピラミッド
バビロンの空中庭園
エフェスのアルテミス神殿
オリンピアノゼウス像
ハリカルナッソスのマウソロス霊廟
ロードス島の巨像
アレクサンドリアの大灯台


一路、温泉の町パムッカレに向う。
車窓からは、美しい山並みと、広がる田園。地熱発電所も見える。
  

イズミルからは約4時間でパムッカレに到着する。うまい具合に夕方であった。


「雑メモ」

トルコのガソリンスタンドと国旗
国道を走っていると、大体の距離間隔にお馴染みの名のガソリンスタンドがある。
トルコは国を挙げて自動車産業に力を入れている。そのため各国のメーカーが殆ど進出している。
オイルの単価は高いようだ。そのため一般住宅でもソーラーが浸透しつつある。
殆どのガソリンスタンドや企業が国旗を掲揚している。愛国心の表れか。
     

モスクと尖塔
国道を走っていて目立つのがモスクと尖塔である。町があると必ず建っている。
大きなモスクは礼拝堂の前にほぼ同じ大きさの中庭ガアリ、ミナレット(尖塔)が立ち、礼拝堂にはミンバルやミフラープ
コーラン台などが極めてシンプルにレイアウトされている。祭壇や聖像はない。
ミナレットはモスクに付属する塔で、イスラム教徒に祈りの時間を告げるのに使われる。今はスピーカーがつけてある。
    


 


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