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12月24日(土曜日)

今日はクリスマスイブ。

天草以来、この特別な時期に訪問できたことは、神様の導きなのかもしれない。

「今のこの姿を撮っておきなさい。それを永久に保存して世界中の兄弟達に伝えなさい」と。

6時、公共時報の音で目覚める。まだ真っ暗。

黒崎教会のイルミネーションが美しい。

信者が貴重なお金をはたいて献灯していると思うと、じわっと暖かい気持ちがこみ上げてくる。

朝の軽食を求めてコンビニへ。店のおばちゃんに話を伺う。

この地域、ほとんどカトリックというわけではないが、かなり多い。

昔は、学校よりも教会が大切。教会の教科書を覚えなければ親に怒られたそうだ。

店内には、予約のクリスマスケーキが所狭しと並んでいる。

それぞれの家でそれぞれのクリスマスがあるのだろうな。

一人で迎えるクリスマス 。自分は信者ではないが、ここまでして一人旅に出る自分も辛い。

 展望台へ

ようやく空が白んできた。かなり晴れている。

真上に半月ちょっと欠けた月が。水盤に浮かんだ氷のような透明感。

出津(しず)の村が一望できる。 

この景観は、地中海性気候の景観に似ている。

アメリカで言えば、サンフランシスコからロサンゼルスまでの海岸の、パシフィックハイウェイ。

途中のモロ海岸のような風景だ。が、あちらは陽気で歴史も無い。

物悲しく、歴史もある風土であれば、ギリシアのペロポネソス半島。ナフプリオの白い家、教会、海岸の地形が似ている。ギリシア本土のデルファイもこのような景色だ。

あるいは、物悲しいと言えば、スペイン。グラナダからバルセロナへの、悲しい道。途中にはジプシーの穴の家がある程度。他には何も無い。バスク地方の、フランスからビルバオまでの海岸線にも似ている。

徐々に昇る朝日が教会に届いた。美しい瞬間だ。 朝日のあたる神聖な場所に教会が建っている。

沖合いの島にも日があたる。先の尖った美しい島だ。

目の前をトンビがゆっくりとホバリングする。

 黒崎教会

Kurosaki church

レンガの赤と空の青。そしてマリア様の白。コントラストが美しい。

マリア様の後ろに教会のレンガ。美しいお姿にうっとり。

 枯松神社 

Karematsu jinja

神道とキリスト教が合体した、日本で三つしかない神社の一つ。

 出津授産所 

古い建物は使用されていない。かなり荒れている。

隣接した平屋は子供向けの図書館となっている。

入口の狭い広場で、小さい子供達が縄跳びをして遊んでいる。

青ばなを垂らしている少女。懐かしい。

昔はもっとたくさんのはなたれ小僧がいたと思う。自分もそうだったと思う。

なぜ最近は見かけないのだろうか。

青ばなが出なくなったのは、日本人が知らず知らずのうちに赤ん坊の時期から抗生物質まみれになったからではないのだろうか。

「青洟と抗生物質に関する疫学的調査」、こんな研究、タイトルからしていかにもなさそうだが、興味深い。

アトピーとの関連はどうだろうか。

例えば、寄生虫とアトピーの関係は研究されている。

青洟とアトピーは関係ありやなしや。

論文を調べてみたい。

シスターにお話を伺う。

せっかくなのでと、道案内のボランティアを手配くださった。

ボランティアの川田さん、元専売公社にお勤め。車に同乗して案内してくださる。感謝。

 泥壁の家 

まるで南ヨーロッパそっくり。

 ドロ神父の馬小屋 

作業小屋の跡。出津教会の奥。神父が馬を繋いでいた。キリストの馬小屋を思わせる。

 バスチャンの隠れ家

洗礼名、セバスチャンだろう。3年以上もとらわれて拷問にあった。隠れキリシタンの指導者。

悲劇の主人公だ。

 ドロ神父の墓

 出津教会

Shitsu church 

今夜のミサの曲を練習中。素晴らしい音楽と神聖な礼拝堂。

今日この日に居合わせられる幸運に感謝。

 大野教会

Ono church 

泥壁の小さな教会。

海が青い。悲しいほど無垢で青い。キリシタン弾圧のような圧制の歴史は世界中で今も続いている。

そして、いつも犠牲になるのは子供達だ。親を失い、将来を失い、そして、人を信じることを失う。

 出津歴史民俗資料館

隠れキリシタンの資料が素晴らしい。

踏絵、キリストの隠し人形を見る。クリスマスイブのせいではないが、悲しくもせつない。

現代にも踏絵はある。人それぞれだが、学校で、仕事先で、人によっては望まない結婚式の教会で。

踏絵を踏まなければならないような状況を想定して、常に備えよ。

例えばユダヤ人。歴史上何回も迫害されてきた。第二次大戦は、初めてではなく、「最後の」大虐殺だ。

収容所に送られるくらいなら、海外に逃げたほうが良い。

踏絵に絶えられない人、今の日本に合わない人は移住を真剣に検討すべきだ。

お昼は、近くの

 日浦亭

で、イカ丼とドロさまそうめん。

おいしい。

 西海橋

Saikaibashi

第二西海橋の建設中。ほぼ完成だ。

ハウステンボスを素通りして有田へ。

 有田

Arita 

井手家。明治3年の旧家。井手さんとはなぜか知り合い。

有田の街並は美しい。

泉山、大銀杏、朝鮮陶工の遺跡、唐臼など、見所が多い。

 伊万里 田嶋神社

Imari Tajima jinja 

平戸

 ザビエル記念聖堂 

Hirado church

ミサはやっていなかった。そのためにわざわざ平戸に来たのに、残念。

イルミネーションは美しいが、誰も居ないのは寂しい。

 磯しげで、一人寂しくイブの夕食。食事3つ星

磯定食2000円に、追加で、アジの塩焼き、九十九島の焼き牡蠣、海老の塩焼き、あわびのステーキ、ふぐの骨から揚げ、しめて1万円以上。

宿に泊まることを思えば納得。とてもおいしい。

これほどの贅沢だが、大切な家族と一緒に過ごすイブであればお茶づけでも幸せかも。

磯しげの駐車場で車中泊。重文幸橋のたもと。暗い橋を渡ってみる。

ちょっと怖い。

22日目の月。 明日の朝拝もう。

今夜はお風呂なし。

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