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京都府京都市右京区 高雄、栂尾、槙尾

Kyoto Takao,Toganoo, Makinoo

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Oct.2012 中山辰夫

高雄の三尾(栂ノ尾、高尾、槇尾)めぐり 

鷹ケ峰・源光庵バス停から三尾地域(栂尾・高尾・槇尾)を目指す京都一周トレイルのハイキング。

東海自然歩道・京都トレイルを歩いて、堂高山寺・西明寺・神護寺・清滝を訪れる。

鷹ケ峰町をスタートして、高山寺までは山道をたどる。

この花札は、鷹ケ峰三山がモデルとされる。

鷹ケ峰街道町並

古い町並はバス停仏教大学北側、北木の畑町から旧街道をだらだらと登りながら、突き当たりの源光庵まで続く。

大多数の古い伝統的な商家の建物は、江戸後期から明治時代に建てられたと思われる。切妻造、中2階建もしくは2階建で虫籠窓を備えた商家の建物が続き、煙り出しを残した民家も多くある。格子や格子戸を残した民家も多かった。

御土居

秀吉が外敵からの来襲に備えるために、天正19年(1591)に築かせた防塁。この周辺には数か所残っている。

しょうざんリゾート

桜・紅葉の時期が素晴らしい。 早朝派はレジャーセンターも静寂

松野醤油

創業文化2年(1805)の老舗

いよいよハイキングのスタートである。まずはマイナス21度の急阪。ミラーカーブに注目。

本日のコース

千束の集落ともお別れ。途中出合った三体の地蔵仏。「愛宕大権現」の石碑が立つ。

秋季迂回コースの案内(マッタケのシーズン)

上の水峠に登る。比叡山がかすかに見える。岩肌にあった2体の地蔵仏。

次は、「沢の池」を目指す。途中、北山杉のトンネルも通り進む。

近々の大雨で土砂の流出が起こっている。

「沢の池」

標高:340m。嵯峨野地区の灌漑用に利用された池。静かな山中に池面が明るく広々と静まりかえっている。流入する沢も無いのに、いつも満々と水を堪えている。一見湖のように見える。

池の沢辺り一帯は縄文時代の「沢の池遺跡」であり、探せば石の矢じりなどに当たるかも…の思いを持ちつつ休息を取る。

標識81で林道も終点となった後、木の根が露出した坂を登ると、「仏栗峠 ほとぐりとうげ 標識82」に着く。

深くえぐれた急降下の山道が続く。歩きにくく苦労する。

樹林が明るく開け、舗装された梅ケ谷林道に出る。(標識86)

京都一周トレイン北山コースでは、よく手入れされて、まっすぐに延びた北山杉の美林の中を歩くコースが多かった。いよいよ見納めである。

これらの杉が、和風建築で嘱望される北山磨きマルタに加工される。

北山杉について

平安京の遷都に当たり、大量の良質な木材が必要とされたのが北山杉の始まり。その後、宮廷より山林経営のため、役人が派遣され直轄荘園として中世・戦国時代を生き延びた。大堰川による筏流し、陸路を荒菰巻によって搬出するなど、大変な重労働によって都へ運ばれた。今は機械式レールにとって代わったが、山間に残された木馬道がその名残であろうか。

清滝川の流れを耳に感じ、ほとばしる滝の音に気を取られていると、青々と茂ったモミジが行く手を覆う。瞬間、清滝に着いたと感じた。

三尾

栂ノ尾の入り口に到着である。周囲の光景がガラリと異なる。燃える秋まで力を蓄え込むような、楓の蒼さが目を惹く。

白雲橋の到着。200mほどで高山寺。

栂ノ尾・高山寺案内

境内

訪れる人もなく静寂である。寺域全体が国の史跡に指定されている。石段から始まる。

国宝の「石水院」を時間かけて拝観する。 鳥獣人物戯画は有名である。

重要文化財の社殿が続く

次は西明寺を目指す。約500mの距離である。赤い欄干の橋が右手に見えてくる。

境内散策

参道の入り口の指月橋を渡る。新緑の真盛りである。

山門をくぐり、正面のこじんまりした本堂は、5代将軍徳川綱吉公の生母桂昌院の寄進で元禄年間に再建されたもの。

本尊の釈迦如来像は運慶の作で、高さ50cmに満たないが、脇の先手観音像とともに重要文化財に指定されている。

山門、本堂、客殿、庫裏、鐘楼がモミジの中に建っている。

清滝・神護寺を目指す。

標識89の谷山林道の橋を過ぎ、朱塗の高雄橋を渡ると、左上に神護寺の長い石段の参道が延びている。

高雄山の中腹標高200m付近に位置する山岳寺院である

石段を登ることから始まる。休憩場所の茶店も閉店である。ただひたすら登るのみである。

境内散策

大師堂をはじめとした社殿を拝観する。

かわらけ投げ

境内の一番奥、地蔵院前の展望広場から錦雲峡に向かって投げる。境内の売店で売っている素焼きの皿「厄除かわらけ」を投げる。厄払いである。

神護寺参道から高雄観光ホテルの前を進む。 川床料理の明かりの点灯が始まった、

清滝川が全貌をあらわす。清滝川は淵と瀬が交互にあらわれ、急流の個所や清流の個所が不規則に現れる。

清滝橋を渡る。

関西電力清滝発電所の取水堰堤がある。大岩壁である。

橋を渡り進むうちに、美しい林道も終点となる

清滝川の沈下橋を渡り、対岸の石段を登ると春には桜が美しい広場にでる、

京都トレイルコースは清滝川に沿って川筋を行くが、雨天の時は滑りやすく落石にも注意が必要である。

この辺りは金雲渓と呼ばれ、景観すこぶる良しとされる。

愛宕山の首無地蔵、空也の滝から流れる堂承川を渡ると登り道となる

まもなく、京都一周トレイルの案内板がある分岐である

右に行けば空也の滝入り口から月輪寺を経て愛宕山。上流で梨ノ木谷となった堂承川本流を遡れば、首無地蔵に至る。

愛宕山表参道登山口の金鈴橋である

愛宕山へは、ここから約2時間半、月輪経由は3時間程度で登頂できる。

金鈴橋を渡り、坂を登れば清滝バス停につく。

≪参考≫

創業350年の歴史を持つ旅館「ますや」と猿渡橋「引用」

与謝野晶子

≪ ほととぎす 嵯峨へは一里 京へ三里 水の清滝 夜のあけやすき ≫ 与謝野晶子「乱れ髪」

愛宕山

京都西北部に比叡山と対座する代表的な山 標高924m 

山頂に鎮座する愛宕神社は、延喜式にも記載され、開山は役小角と伝えている。祭神は火の神である迦具槌命で、古くから火伏せの神として全国的に広く人々の崇拝を受けている。

毎年、7月31日は千日詣りとされ、この日に参ると千日お参りしたと同じ功徳を受けるとされ、「おのぼりやす」「おくだりやす」の挨拶をかわしながら多くの参詣者がお参りする。 

参詣路

道は細く、険しいところもある。愛宕山は砥石が出るところで、それが細かく砕けているので歩きにくい。

古い道しるべやお地蔵さんがたたずみ、時々清滝の流れも耳にでき、ひたすら登ることになる。


Apr.2009 瀧山幸伸 source movie

 


Apr. 2006 瀧山幸伸 source movie

京都市右京区梅ケ畑

国宝高山寺から重文の神護寺にかけて、山の斜面を彩るツツジと川沿いの桜。

周囲のモノトーンに花が映える。

西明寺門前

神護寺門前

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