MONTHLY WEB MAGAZINE Jan.2012

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■■■■■ 日光彫 田中康平

このところ週末は日光まで日光彫に通っている。

日光市の主催する日光彫教室で勿論観光用の体験とは違う。

日光彫りの歴史は東照宮造営の大工に始まったと言われる。

鹿沼に残された数多くの彫刻屋台やさらに現在も続いて新しい彫刻屋台が刻まれている姿をみたりするとこのあたりには彫刻の伝統が今も脈々と伝わっているようだ。

日光の東照宮は当初簡素な造りだったものを家光が大々的に改築して現在の形になっているようだが改築期間は僅か1年半と記されている。

建物を埋める夥しい彫刻、絵画が整然とバランスをもってこれほどの短時間で完成しうるのだろうか、かねがね疑問だったが、どうやらこれはもう少し長い期間にわたって狩野派により構想され彫師により彫刻が部分ごとに作られ最終的にこれを組み立てて建物に仕上げていったのが1年半だったと考えるのが正しいのではないか。

そのような見方が日光彫の技をつないできた村上長四郎氏の著書に述べられており、ここらあたりが本当の姿ではないかと思われる。

いずれにしろ短期間に彫り物大工が全国から大勢集められ東照宮を作り上げていったことは事実のようでその技術が伝えられたのが日光彫の源となっている。

日光彫の特徴はひっかき刀という独特の彫刻刀を用いた線彫りにある。

手前に引いて線を切れ味良く彫っていく。

実際に学び始めてみると透かし彫りというレリーフ状の彫り方が多いが随所にひっかき刀による彫りが入る。

陽明門の夥しい彫り物を見ても立体的でないものはなく線彫りだけという彫り方は後世のもののような感じがする。

どれが本当と言うものでもないが本来が装飾的な職人技であるだけに求めに応じていかようにでも彫るのがその姿なのだろう。

つたないなりにいくつかできるようになると楽しくなる。

体感することで先人の技が伝わってくる感触が面白い。

東照宮陽明門の彫り物

鹿沼彫刻屋台の彫り物

日光彫の作品(自作)


■■■■■ 柚原君子

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