Monthly Web Magazine Mar. 2016

Top page Back number


■■■■■あわただしい京都の1日  野崎順次

ある日、家内が京都和食の祭典に行こうといった。2月28日(日)に祇園の歌舞練場で10:00〜16:00開催される。有名料亭合作の特別点心限定200食@¥3000とか、和食料理人による粕汁を食べたいそうだ。こうして、この日の京都行きが決まった。自宅から会場まで約1時間半かかる。が、家内は朝が弱いので、私が先行することになった。

思わぬ強行軍の1日になるとは知らず、当日、7時前に起き、寝ている家内に行ってきますと云って、8時に家を出た。河原町へ向かう阪急電車の快速急行(特急があるのは9時以降)の中でウェブサイトのプリントを改めて読み直すと、点心は先着順でお一人様1食限定、発売開始は11:30とある。家内や母の分まで買うつもりが、暗雲が立ち込めてきた。でも、9時半に着いて、2時間行列すれば、家内の分1食は買えるだろう。

ところが会場に着くと、10:00前なのに400人くらいの雑踏である。入り口の二張のテントは粕汁と大根炊きで、それぞれ40人くらい並んでいるし、二手に分かれてザーッと並んでいるのは、入場を待つ人でその多くが点心目当てである。係員に聞くと点心はもう無理とのこと。

家内に携帯で事情を説明し、人混みが少なくなる14:30頃に待ち合せて入場してみることになった。

まだ10:00前でそれまで4時間余ある。梅の花を見に行こう。京都で見ごろなのは、南の城南宮と北西の北野天満宮である。とにかく、京阪祇園四条駅に行った。最初に来た電車が北行きだったので、出町柳からバスで北野天満宮に行くことにした。市バス1日乗車券500円也を購入。

11:00前に北野天満宮に到着。1時間ばかり梅を中心に境内を撮影した。七分咲き程度であろうか、あまり感動しない。

バスで今出川通を戻り、鴨川、百万遍を過ぎて、銀閣寺道で降りた。中華そば「ますたに」を目指していたのだが、バスから見るとなぜか閉店のように見えたので、近くのよく似た味の「しらかわ」で食べた。

再びバスで白川通を南へ、13:00過ぎに東天王町の「はなふさイースト店」で定番のサントススブレンド(ウェイトレスの人が「サンブレ」と云っていた)を飲んだ。京都で初めてサイフォンを採り入れた店で、「二度上げ」による濃厚な味わいである。

バスで祇園に戻り、八坂神社をぶらぶらしていたら、14:00頃家内から連絡があり、早目に着いたので、先に会場を見ておくという。その時、下腹が痛くなってトイレに行きたくなった。神社境内のトイレは和式でびちゃびちゃしている。嫌だなと思って、その向こうを見るときれいな建物がある。八坂神社常盤新殿という結婚式場らしい。中に入ると両方から「いらっしゃいませ」と云われてビビるが、お腹の方がもっとビビっている。ロビーは喫茶室になっている。その奥にトイレがあった。入ると清潔な洋式であった。よかった。玄関を出る時に別に何も言われなかった。でも、あまり他人には言いふらさないでおこう。トイレだけの使用が禁止になったら困る。

また、家内から電話があり、会場でめぼしいものはみんな売れてしまって何もないという。花見小路の四条通側で待ち合わすことにした。

14:00過ぎである。さて、どこに行くか。こちらは歩き回って疲れてもう家に帰りたいくらいであるが、家内は京都に出てきたばかりである。城南宮に行くことにした。が、昼食を食べていないという。会場で何か食べられるだろうと昼食抜きで来たそうだ。そこで、大和大路市場下ルの「純喫茶ラテン」に行った。近くのフランソワで修業したおかみさんの店で、ステンドガラスだらけの奇妙な空間である。ネルドリップの珈琲が美味しい。家内は昼食代わりにパンケーキを食べた。

京阪祇園四条、丹波橋、近鉄に乗り換え竹田駅からタクシーで城南宮へ向かった。

15:15 城南宮に着いた。神苑春の山のしだれ梅が満開であった。今まで見た中で最もきれいな梅林である。天気もタイミングもベストで嬉しくなった。少し疲れを忘れた。断面がハート形の切り株もあった。

城南宮もトイレが少ないが、西側駐車場のトイレは男女とも清潔で空いていた。遅い時間(16:10頃)だったからか。

夕食は京都で食べようということになった。家内は祇園四条駅近く、南座前のレストラン菊水がいいという。そこで同じコースを戻って、祇園に戻ったのが17:00頃。本日3度目の祇園である。まだ少し早いので、何必館・京都現代美術館で女性写真家「マルティーヌ・フランク展」を見た。

その後、舞妓さんでも歩いていないかと花見小路の路地をウロウロしていたら、家内がいち早く舞妓さんを見つけ、「追いかけて」という。足は痛く疲れも溜まっていたけれど、動画を取りながら走って追いかけ、追い抜いてストロボ撮影した。しんどい、しんどい。

18:10にレストラン菊水に着いた。特にビーフカツレツが美味しい。おあつらえディナーコースで、前菜二品、スープ、メインディッシュ、デザートなどを選んで¥3,800(税別)というのがあり、ビーフカツも選択できる。実にお得である。

河原町から阪急電車に乗って、家に帰ると21:00だった。家を出てから11時間、スマホの万歩計は2万3千歩だった。

All rights reserved 通信員募集中