Monthly Web Magazine Jan. 2017
地名や人名の読み方には神経を使う方である。間違うのが嫌だし、読み方が分からないとローマ字表記ができない。
昔から何回も行っている明日香村の大字名を日本郵便で調べて、明らかな間違いが二つ、怪しいのが二つ見つかった。
日本郵便の読みは非常に権威があるとされているから、これは驚いてもよいだろう。
栢森は、土地の人は「カヤノモリ」と読んでいるのに、日本郵便では「カヤモリ」である。念のため、明日香村に問い合わせたら、やっぱり、「カヤノモリ」だった。
ただし、地名の正式な読みは存在しないと言い切る人もいるから、その土地のほぼ全員が使っている読みということである。
現地の交通標識は「カヤモリ」だが、縄掛神事の説明ではローマ字表記の通り、「カヤノモリ」である。
阪田は日本郵便では「サカダ」だが、明日香村では皆が「サカタ」と読む。
大原(オオハラ)の里や大原(オオハラ)神社で知られる小原は、日本郵便では「オオハラ」である。別に大原(オオハラ)という地名があるのだから、同じ読みにするのはあまりにも不自然である。
万葉文化館の人に聞いたら、小原の読みは「オハラ」だった。ところが、大原の里の現地説明版には小原(オオハラ)としている。日本郵便の権威に負けたのかな。
それから、次は雷の丘のある雷の読みは日本郵便では「イカツチ」と濁らない。雷の信号には「Ikazuchi」と明記されているのに。これは土地の人に聞いてないので、よく分からない。
もっと細かいけど気がついたのは明日香村八釣の金鳥塚古墳は、奈良県遺跡分布図の説明では桜井市になっている。
明日香村の立石には非常に興味がある。石質(花崗片麻岩)は同じでもそれぞれ特有の形態があって、昔人が何を表現しているのか不思議である。
甘樫坐神社の盟神探湯(くがたち)の説明板には、「立石と呼ばれる謎の石はこの豊浦のほか、村内の岡・上居・立部・小原などにも残っています。」とある。
この説明は多くの人がネットで引用しているが、「小原の立石」を実際に見たとの報告は無い。明日香村に問い合わせたが、いまだ返事がない。小原の立石は謎中の謎である。
豊浦、岡、上居、立部の立石はちゃんと存在しており、形態はさまざまである。