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Monthly Web Magazine Nov. 2017

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■巨木との別れ 中山辰夫

9月、10月は大雨と台風に見舞われ各地に大きな被害がでました。連続して被害にあわれた地域もあり辛い2カ月でした。

各地における文化財の被害も報告されています。当滋賀県においても、2,3件の報告を耳にしておりますが、まだまだありそうです。

その1−「菅原道真が植えた」伝承のケヤキの巨木が強風と腐食により折れました。

滋賀県長浜市余呉町坂口の大箕山(だいきさん)の山中に建つ「菅山寺」の山門に並び立っていた2本のケヤキのうち1本です。

在りし日の姿

  

樹齢約1300年、高さ、幹回り共に約10mの巨木でした。パワスポットとしても親しまれていただけに残念です。

現在の姿

 

今後は残された1本を大事に見守りたいです。

 

その2−マキノのメタセコイアが7本ほど折れたとのことです。近々確かめたいです。

その3−唐崎神社のカラマツが枯れつつあります

万葉集や枕草子、他にも多くの歌が詠まれた唐崎にあって、芭蕉が「唐崎の松は花より朧(おぼろ)にて」と詠んだ唐崎の霊松。

初代は1581(天正9)年、二代目は1591(天正19)年に植えられ、現在は三代目の黒松でした。

1,2年前の姿

  

金沢兼六園の「唐崎の松」は二代目の分身です。

 

現在の姿

  

天に向かって立ち向かい、枝が臥龍のごとく延びる雄大な姿までに育つには何年かかるのでしょうか。

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