Monthly Web Magazine June 2025
■ 瀧山幸伸
■ 大野木康夫
■ 「言葉のあぶく」その9 野崎順次
30年くらい前から、おもしろかった話や、ふと思いついたことをメモしています。
コンビニで働くベトナム娘の名前が「アイン」だった。志村けんのギャグでからかわれないかと心配である。ベトナムで「アイン」は知性を意味し、ポピュラーな名前だそうだ。
あるメジャーな民法テレビの女子アナが長時間を「ながじかん」と読んでいた。一瞬のことで耳を疑ったが間違いない。しかし、その後、ネットで話題になってなかった。
池袋の妙に洒落たうどん屋で「ご飯ないの?」と聞くと「ない!」という。しかし、「白飯ならある。」という。出てきたのは、まさにご飯だったが、不味かった。
夕方、阪急電車の席で、おじいさんが小さな紙パックからストローで何かを飲みながら、時々、手元の白いレジ袋から柿ピーをかじっている。その紙パックは清酒らしい。そして、柿ピーを食べたら、ストローを抜いて、斜めカットのほうで歯をせせってから、ストローを戻し、少し飲み、また、柿ピーを食べて………。そのパターンを楽しそうに何回も繰り返すのである。
中年の熟練表具屋さんがビル地下2階の店に頑丈な自転車を持ち込んで、ウーバーイーツを始めた。なかなかよい副業だそうだ。体力があるんですねと聞く。むかし、長距離の陸上をやってたそうだ。
学生のころだから1960年半ば、友人3人と北海道へ貧乏旅行に出かけた。夜行列車で早朝に札幌に着き、北海道大学の便所に行った。私とT君は数個並んだ和式便房の両端にしゃがみこんだ。それまで汚い便所を使うことが多かったが、ここは新築できれいだった。「きれいな便所やなあ」と私がT君に呼びかけると、二人の間に既に他人が入っていて、その人が「本当にきれいなあ」と答えたので驚いた。
大阪市の職員が飛び込み自殺をしたが、助かった。なぜなら、彼は飛び込みの選手だったから。YouTubeのトーク番組で聞いた話で詳細は不明だけど、単純で面白い。
JR紀州路快速の床に小型部分入れ歯を落としてしまった。すぐには見つからなかったが、近くの車いすのおばあさんが落ちている場所を教えてくれた。そうすると、その介護のおばさんが素手で拾いそうになったので、あわてて自分で拾った。
雨の日の会社の帰り、アキレス腱炎の後遺症で杖をついてエレベーターに乗ると、顔見知りの車いすの青年がいた。すると、半袖半パンのおじさんが乗ってきた。雨の中、走って帰るのですかと聞くと、そうだという。距離は14kmだという。すごいねと、車いすの青年と杖をついた私は顔を見合わせた。
東大寺南大門でカーリングかと思った。おばさん二人が並んで速いテンポで床にブラシをかけている。鹿の糞を掃除しているのだった。
■ 田中康平
■ 川村由幸
■ 柚原君子
■ 酒井英樹
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