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和歌山県湯浅町 湯浅

Yuasa,Yuasa town,Wakayama

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 Culture
 
醤油関連の古い街並
 Facility
 
 Food
 


February, 2023 大野木康夫  source movie

 

角長(加納家住宅)
Kadocho(kanoke), Yuasa town, Wakayama


所在地 和歌山縣有田郡湯浅町湯浅7

角長は醤油発祥地と言われる湯浅に現存する最古の醤油蔵です。
天保12(1841)年に初代加納長兵衛が角屋右馬太良家からのれん分けで創業して以来、今でも伝統的な製法を守って醸造を続けています。
主屋(店舗を兼ねる)や醸造施設11棟が、令和4(2022)年12月に重要文化財に指定されています。
施設は北町通りと浜町通りのT字路で三区画に分かれて建っています。

北町通り、浜町通りから見た指定建造物
        

主屋(重要文化財)
主体部は天保12(1841)年の建築、明治期から大正期にかけて増築
主体部 桁行15.9m、梁間7.9m、木造、一部二階建、切妻造、本瓦葺、正面南面及び北面東半下屋附属
角屋 南棟 桁行4.2m、梁間7.9m 北棟 桁行8.9m、梁間4.0m 木造、一部二階建、切妻造、桟瓦葺一部銅板葺
離れ 桁行2.9m、梁間4.9m、木造、切妻造、本瓦葺一部桟瓦葺及び銅板葺
作業場 桁行5.0m、梁間3.6m、木造、二階建、切妻造、本瓦葺

北町通りに面するのは主体部と作業場で角屋は大仙堀側から見えますが離れは見えません。
                   

醤油蔵(重要文化財)
江戸時代末期の建築
西棟、中棟、東棟よりなる
西棟 桁行14.4m、梁間8.0m
中棟 桁行4.9m、梁間8.0m
東棟 桁行8.8m、梁間9.7m
木造、切妻造、本瓦葺、庇一部桟瓦葺

北町通り北側、主屋の西に続く建物です。
       

辰巳蔵(重要文化財)
慶応2(1866)年の建築
土蔵造、桁行南辺12.6m、北辺13.3m、梁間8.4m、切妻造、本瓦葺

北町通の南、「湯浅しょうゆ職人蔵」として資料館になっています。(見学無料)
      

内部
       

角蔵(重要文化財)
明治44(1911)年の建築
土蔵造、桁行6.8m、梁間4.9m、二階建、切妻造、本瓦葺

北町通りと浜町通りの東南角に建つ蔵です。
          

樽蔵(重要文化財)
江戸末期の建築
土蔵造、桁行7.9m、梁間7.0m、一部二階建、切妻造、本瓦葺

北町通りと浜町通りの西南角に建ち、販売用の樽を貯蔵していた土蔵です。
       

醤油蔵(北)(重要文化財)
大正12(1923)年の建築
桁行11.9m、梁間8.4m、木造、切妻造、桟瓦葺

樽蔵の西隣、北町通の南側、醤油蔵の向い側の建物です。
        

醤油蔵(南)(重要文化財)
明治後期の建築
桁行19.9m、梁間10.9m、木造、切妻造、本瓦葺

樽蔵の南隣、浜町通りの西側に面しています。
         

大仙堀沿いへ
  

大仙堀からの眺め
              

東側煉瓦塀
 

土蔵(重要文化財)
明治中期の建築
土蔵造、桁行6.9m、梁間4.0m、二階建、切妻造、本瓦葺
       

高欄が設けられている建物は主屋角屋の北面(オクザシキ)です。
   

穀蔵(重要文化財)
江戸末期の建築
土蔵造、桁行11.8m、梁間5.1m、一部二階建、切妻造、本瓦葺
            

麴室(重要文化財)
明治39(1906)年の建築
桁行9.0m、梁間9.1m、木造、切妻造、本瓦葺

大豆と小麦を混合して発酵させ、麹を作る施設です。
          

仕込蔵(重要文化財)
江戸末期の建築
桁行13.9m、梁間10.5m、木造、二階建、切妻造、本瓦葺

醤油の醸造施設です。
          

帰りに、角長の濁り醤(にごりひしお、伝統的な製法から作る生醤油)を買って帰りました。
味わいが濃く、冷奴や刺身が一層おいしくなります。



重伝建地区

北町通
       

角長から深専寺へ
      

深専寺からの帰路
     


Feb.22,2021 瀧山幸伸

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Sep.2019 酒井英樹 source movie

第43回湯浅まつり花火大会

  

 打ち上げ数 約2500発

         


Feb.25,2018 瀧山幸伸

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重要伝統的建造物群保存地区

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

シロウオ漁

            

                                    

シラス丼

           

醤油工場

                       


July 2012 瀧山幸伸 source movie

A camera

                                   

B camera

                                                              


Dec.2007 撮影:高橋久美子

                    


Dec.2006 瀧山幸伸 source movie

大豆を使ったしょうゆは、日本のみならず、中国、朝鮮、タイ、インドネシアにもある。現在の醤油のルーツは金山寺味噌とされ、13世紀頃、南宋鎮江の金山寺での製法を、紀州由良興国寺の開祖法燈円明國師が日本に伝え、湯浅周辺で金山寺味噌作りが広まったとされるが、史実は確認されていない。この味噌の溜(たまり)がたまり醤油の原型である。

湯浅は船運の便がよく、原料の調達においても製品の配送においても地理的に有利であり、後背の山からの伏流水が海岸付近で湧き出すため、醸造の水にも恵まれた。さらに紀州藩の保護を受け、醤油醸造業が発展した。

また、この地は熊野参詣道の宿場町としての性格も兼ね備えている。町の中心部を熊野古道が通り、都から熊野への参詣者の多くがこの地に立ち寄った。

街並は醸造町としての性格が強く、平成18年(2006)には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

そのシンボルとも言えるのが、角長醤油の醸造蔵であり、海に隣接した蔵が立ち並ぶ景観は独特である。醸造の中心北町と、熊野古道との中間に位置する鍛冶町は、厨子(つし)二階に虫籠窓を持つ平入りの家屋を主とする。

旧熊野古道沿いの町屋の軒先には「熊野古道」の名が入った提灯が下がり、大いに夜景演出に貢献している。

近くには、漆器の街並黒江もあり、その街並も堪能できる。熊野が世界遺産に登録されてからは、田辺から熊野までの熊野古道の一部だけが脚光を浴びているのだが、湯浅付近の熊野古道をたどれば、藤原定家が白河上皇に随行した熊野御行記で「熊野路第一の美景」と称えた御所の芝も近い。また、長保寺は鎌倉時代の国宝建築を誇り、古くは一条天皇の定子に仕えた紫式部ゆかりであり、江戸時代の紀州藩主が眠る文化度の高い古刹である。

背後の山のミカンはもちろん有名だが、海の魚、特にシラスも隠れた名産だ。それに加え醤油独特の香りに包まれ、暗く静かな夜を持つ落ち着いた街並は、食べ物と熊野古道の文化とを楽しめ、遠いながらも訪問に値する。

 

 

角長醤油

        

北町

                   

鍛治町

    

湯浅醤油を使ったたこ焼き

         

魚店

         

熊野古道

   

北町

        

二の丸温泉

  

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