MONTHLY WEB MAGAZINE Feb.2012
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■■■■■ 「寒いぞ!熊谷」 瀧山幸伸
今回は軽い話題を一つ。
熊谷は夏の暑さで有名だ。「あついぞ!熊谷」というイベントは地元住民だけの開き直ったイベントなのだろうか、「あついぞ!」の男性言葉にスゴミがあり、「暑いぞ危険!」と感じられ、昼間の現地に出かける気持ちが萎えてしまう。
もしそれが、水や伝統文化などで納涼を演出した「夜は涼しわよ!熊谷」などの女性言葉のイベントなら、楽しそうなので出かけるのだが。
閑話休題
暑い熊谷の冬はどうなのだろうか。
1月の週末、空っ風が吹きすさぶ冬の熊谷を訪問してみた。
埼玉の三賢人は、児玉の塙保己一と深谷の渋沢栄一と妻沼の荻野吟子だそうだ。
「心の温かさ」を求めて、荻野吟子の生家跡と記念館を訪れた。
幾多の苦難を乗り越え、日本の女医第一号となり、渡辺淳一の『花埋み』のヒロインとなった。夫と共に理想郷の建設を目指し北海道の瀬棚に移住する、波乱に満ちた生涯だ。
その小説の感動を、将来医者を目指すかもしれない人々にぜひ紹介したいと思って訪問したのだが、市の資料館なのに内部の説明パネルは全面撮影禁止。
年表や地図がなぜ撮影禁止なの?などと言ってはいけない。物言えば唇が「寒いぞ!」
妻沼の歓喜院は、日光の寺社群に携わった彫り物師の系統を継ぐ見事な彫刻を持つ。
昨年夏の改築直後訪問しているが、曇り空の夕暮れ時で、光線の加減が良くなかった。
今回は晴天だったが、日向と日陰のコントラストが強すぎてこれまた撮影が難しかった。
昼食を抜かして長時間撮影していると、おなかも「寒いぞ!」
その後、利根川を渡り、群馬県太田市の新田庄にある東照宮や長楽寺を訪問した。
夕暮れ時が迫り、長楽寺の開山堂にたたずむ石仏のうら寂しい風情に、ここは背筋も「寒いぞ!」
熊谷は近いけれど、毎週もっと遠くに調査に出かけているから、私の懐はとっても「寒いぞ!」
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