MONTHLY WEB MAGAZINE Aug. 2012
■■■■■ 能登のキリコ祭りと東北の祭り 瀧山幸伸
7月の連休は和歌山の文化財をぐるっと回りました。沿岸部は日本のエーゲ海と言われる白崎海岸をはじめ、どこもぎらぎらの夏でしたが、高野山は避暑にぴったり。
それはそれとして、今回取り上げるのは8月の初頭に訪問した能登のキリコ祭り。
七尾の石崎宝燈祭は、和倉温泉のすぐ隣の漁師町、石崎で開催されます。勇壮な漁師がキリコと呼ばれる背の高い灯篭を担ぎ、狭い道を通りぬける。危険だけれど興奮する伝統的な祭りです。
一方、珠洲の宝立七夕キリコ祭りは広い浜辺を使い、海にキリコを担ぎ入れ、禊を行います。沖合のかがり火と花火に合わせて暴れ狂う、観光ショー的要素が強い祭りです。
能登のキリコ祭りは7月から9月まで各地で開催され、熊甲祭りとともに国の重要無形民俗文化財に指定されていますが、東北の祭り、特に青森のねぶた、弘前のねぷたや秋田の竿灯の起源だと考えられます。
五所川原立佞武多はキリコと瓜二つ。能登から対馬海流に乗って漁師が移住してきたのでしょう。いずれも海の民の祭りが起源ではないかと。
では、能登のキリコの起源はどこなのか?もっと南の、乙姫様の竜宮城が登場する浦島伝説、あるいは七夕伝説、それらの起源と思われる東南アジアの海人の風習なのでしょうか。
私は東南アジアの海人の調査をしていないので不案内ですが、これらに似た祭りや風習をご存じであればぜひ教えてください。
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中