Monthly Web Magazine Nov. 2015

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トピックス

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■■■■■ 長瀞ライン下り 瀧山幸伸

長瀞は名勝と天然記念物に指定され、首都圏からも近いので、多くの観光客や遠足などで賑わっています。

延長約6Kmが名勝・天然記念物に指定されたのは大正13年です。

明治11年にナウマン象で有名な地質学者ナウマンによって岩畳の変成岩が調査されたことで、日本地質学発祥の地といわれています。

春の桜も秋の紅葉もみごとで、長瀞ライン下りは大賑わいです。

いつもは地上からの調査撮影ですが、今回はライン下りのBコース(下流)で名勝と天然記念物を実体験しようと、乗船から下船までを通して撮影してみました。

運良く船の先頭に乗せていただき、船頭さんにぶつかるほどの舳先でしたから、迫り来る急流と荒波に驚き、ぶつかりそうになる岩に思わず体をひき、迫力満点の撮影でした。

急流といえば、ポンティングが『英国人写真家の見た明治日本』で保津川下りの体験を感動的に書いていますが、それも当然のこと。日本の激流下りは、急流と渓谷の質も、船頭さんの腕前も、世界トップクラスですから、外国客も増えるでしょうね。

次は保津川下りを体験したいものです。

source movieは20分、4K、11GB)

   


■■■■■ 今年の紅葉は… 大野木康夫

私が住んでいる山科は、京都の周辺部(高速道路でいえば東の玄関口)に位置し、11月の中旬以降は紅葉目的の多くの車が通過するハイシーズンに当たるため、毎年、週末の主要な道路では渋滞が恒常的に発生します。

渋滞する時間帯は限られており、抜け道もあるので、不便は感じていません。

多くの人が何回も来られているので、あまり人が訪れない「紅葉の穴場」というような場所は、もはや存在しないのではないかと思われるくらい、どこにでも人がおられます。

多くの人に来ていただくため、紅葉スポットと呼ばれる寺社では、紅葉を鮮やかにするために普段から手入れをされているところもありますが、それでも、紅葉の出来を左右するのは天候です。

京都の例年の気温は、11月に入ればだいたい最高気温は20度未満、最低気温は10度未満で、雨も少なく、紅葉が色づき、持続する条件となることが多いのですが、今年は、11月の前半15日で、最高気温が20度を超えたのが7日(最高値は25度)、最低気温が10度を超えたのが11日(最高値は17度)と、少し高めの気温となっています。

色づきが早いところの紅葉は早く始まりましたが、気温が高いのに加え、夜に雨が降ることもあり、落葉が進みました。

平地の名所でも、色づきが早い木はもう終わりを迎えていますが、まだ色づいていない木もあります。

「今年はいい紅葉」とはいえないような気もしてきましたが、今後の気温がわからないので、なんともいえません。

11月15日、早いと思われる紅葉の名所を回ってみました。

参考になるかどうかはわかりませんが。

岩戸落葉神社(北区小野)

イチョウの落葉が進んでいますが、ここは敷もみじ(イチョウ)なのでこれで見頃かもしれません。

常照皇寺(右京区京北周山)

もうほぼ終わりでした。

河原家住宅(右京区嵯峨越畑)

紅葉の名所ではありませんが、近くを通ったので撮影しました。

イチョウはまだ青みがありました。

鍬山神社(亀岡市)

モミジは一部を除いて終了、ドウダンツツジはまだ残っています。

金蔵寺(西京区大原野)

色付きにばらつきがあるのはここの特徴ですが、少し早い?感じでした。

善峯寺(西京区大原野)

見頃でよかったのですが、西側に山を背負っているので、透過光に輝く紅葉を見るには朝の方がよりよかったかもしれません。


■■■■■秋の展示を見ながら思う 田中康平 

秋は芸術の秋というわけか博物館や美術館の展示に力が入っていて、福岡の地でも九州国立博物館開館10周年記念企画”美の国日本”として正倉院の御物の幾つかや国宝、重要文化財が数々展示された。

目玉は正倉院の螺鈿紫檀五絃琵琶で、勿論初めて見た。

聖武天皇が愛したと言われる美しい琵琶で、細かい細工の螺鈿がちりばめられている。確かに宝物だ。

1300年前の製作とされるが古さを感じない、時間を超越しているようなところがある。

一方でこの時期 福岡市美術館では藤田美術館展として国宝の曜変天目茶碗が展示された、これも初めて見るものだがキラキラと美しい茶碗でどうやって作ったのだろうと思わせる。

12-3世紀のものだが現代的ですらある。

いずれも中国の作品だ。国産のものも美しいものは沢山あれど古来より大事に伝えられてきた極め付きの宝というと中国産のものとなるようだ、時代がさかのぼるほど中国文化の突出ぶりは驚くべきものがある。

それでは日本産の古来からの工芸の頂点は何なのかと思ってしまうが、それは刀ではないかとの気がしている。

日本の国宝の工芸というと刀が多い。

東京国立博物館に行っても国宝や重要文化財は刀に多い。確かに現物の刀を見ると美しい。

九州国立博物館にもこの時期所蔵の国宝の刀、銘来国光が常設展で展示されているが、巧みであって微妙な光の輝きが美しさは格別だ。

少し調べると日本では古来よりたたら吹きという製法で砂鉄と木炭から鋼を作りこれに鍛造を繰り返して日本刀を作り出しているという。

一回ごとに土でできた炉を壊して製造されたケラと呼ばれる鋼状の鉄を取り出す製造法で、とても大量生産には堪えない。

ふいごで風を送りながら三日三晩連続して砂鉄と炭を微妙に調整しながら入れ続けなければならず、その製法は製造を仕切る村下(むらげ)だけに口伝で伝えられてきたとされるが体力的にも精神的にもかなりの集中と持続を要する工程のようだ。

たたらという言葉は外来語起源といわれ、製鉄技術とともに伝わってきたのではないかとみられている。

外からの伝来をもとに巧妙な技術に仕上げていくという日本の技術の姿の原型そのものがここにあるようにも感じさせる。

幕末の萩に作られた反射炉跡を先日見学したが試験的に操業されただけで、幕末期に長州藩で大砲や鋼鉄船に必要とされた鋼はたたらの製法で供給されたとされている。

大量生産でなければ近代兵器を作りうる製鉄法が国内に既にあったということのようだ。

たたら吹きには大量の木炭を使用するためこれを供給できる十分な森林が必要となるという。

持続的に製鉄を行うには自然との調和を迫られるという、今思えば平和な製鉄法であったと気が付かせてくれるだけでも刀の美しさには価値があるのかもしれない。

毎年秋が巡りくる。長い時代を経てきたものを見せてくれ我々はどこから来たのか考えさせてくれるようで、秋は好ましい。

写真は順に、1.九州国立博物館 2.螺鈿紫檀五絃琵琶(九州国立博物館HPより) 3.曜変天目茶碗(藤田美術館HPより) 4.、銘来国光(九州国立博物館HPより) 5.萩反射炉跡


■■■■■ 佐原で4Kと普通の動画を比べる 川村由幸

千葉県香取市の重伝建、佐原の街並みを4Kと普通の動画、両方で撮影してみました。

カメラは4KがLUMIX G7+LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH、普通はCANON 5DMkⅡ+EF24-105mm F4L IS USMです。

カメラ二台と三脚を抱えて歩き回りましたが、交換レンズは持たずG7が軽量なことからたいした負担ではありませんでした。

それでは比較してみましょう。

4K動画①

普通の動画①

どうでしょう。建物の格子窓が4Kのほうがクリアーに見えませんか。

普通の動画は車が多くて見ずらいでしょうか。

撮影は三脚の位置は移動せず、カメラを三脚に乗せ換えて行いました。

4K動画②

普通の動画②

4K動画③

普通の動画③

②の動画では手前の柳の質感、建物の輪郭線が4Kはシャープでとても気持ち良く感じます。

③では、4Kは川を通り抜けてゆく風が起こすさざ波までがきれいに撮影されています。

4K動画④ 

普通の動画④ 

4K動画⑤

普通の動画⑤

④、⑤の動画でも普通の動画はピントが甘いのではと感じるほどです。4K動画の美しさが際立ちます。

今後、動画を残してゆくならやはり4Kでと改めて思いました。映像技術の進歩に驚くばかりです。

ところが、静止画になるとこれが逆転します。CANON 5DMkⅡ+EF24-105mm F4L IS USMのほうが断然高画質なのです。フルサイズセンサーとマイクロフォサーズの差がモロに出てしまうのでしょう。

当然、フルサイズセンサーで4K動画をと考えますが現在の技術ではハード面の記録スピードがついてきていないようで、フルサイズの場合画素数を大幅に落として4Kに対応しているのが普通です。

静止画はCANON 5DMkⅡ以上で動画性能もLUMIX G7の4K以上というカメラが多く出てくると嬉しいのですが。

現状ではスペックでこれを満たしているのはSONYのa7R IIのみでしょうか。

CANONはどう動くのでしょう。


■■■■■棚田収穫祭に参加  中山辰夫

9月〜10月は棚田の投稿が多くありました。その素晴らしい原風景に接し癒されております。棚田100選などを見ると訪れたい所ばかりで胸がときめきます。

当方の住む滋賀県からは、100選に「畑の棚田(高島市)」が選ばれています。次いで、「仰木の馬蹄形の棚田」が着目されています。

10月末〜11月初頃は、各地の棚田で収穫祭が開催され、新聞紙上でも取り上げられました。

一例 (日経新聞10−14)

滋賀県は、全国に先駆けて「しが棚田ボランテイア」制度を平成16年度から制度化し、現在、畑や仰木を含めた9地区で実施しています。

その内の一つに走井地区があります。同じ市内ですが、始めて足を踏み入れました。少々辺鄙です。目立たない棚田です。

「走井の棚田の収穫祭−清流の里・びわ湖を一望する」のフレーズに惹かれて覗きました。

この地区も棚田ボランテイア制度に則り、ボランテイアを受け入れ、この会場もその協力で拓かれたスペースです。

走井は、16世帯、住民約50人の集落で、高齢者だけで営農しています。全国の棚田が抱える問題点を包含し、その対策に翻弄されています。

でもこの日は、若い人たちが続々と山へ上ってきます。このうち、棚田のボランテイア活動に何人が参加されるのかは分かりません。

今年で4回目を迎えた収穫祭には、大阪・京都からローカルアーティストやファーマーが参加し、地元の手作り料理を加えた「食と音で祝う収穫祭」でした。

数少ない集落の人が、よくぞ続けられると思いつつ、地道な積み重ねがあって、過疎化から地域文化が守れるんだと実感しました。

地元〜「広徳寺」住職の奥さんの野点、他

棚田の詳細はつかんでおりませんが、石ころ1つ拾うのもボランテイアになるのであれば、来年からこの棚田の動きを追いかけてみようと思いました。

 


■■■■■ 我楽多会初めての旅 児島から本島 野崎順次

以前にもウェブマガで紹介したが、我楽多会は、兵庫県立神戸高校16回生2年4組男子有志18人の集まりである。いつもは神戸に集まって、年に2回程度、ちゃんこ鍋など食すが、今回は初めての1泊二日の旅、参加者は12人である。内訳は、兵庫県在住6名、大阪府2名、和歌山県1名、神奈川県2名、メキシコ1名。

一応の日程は決めているが、同じホテルに泊まって宴会に参加するのが基本原則で、それ以外は自由行動とした。お互いにご老体だからである。しかし、結果的にはほとんど全員が児島と本島を巡った。

11月6日午前11時59分新大阪発さくら555号自由席に並んでいると、私を含めて6人がそろった。写真は、左からYT君、KK君、HO君、YK君。KK君は港湾環境コンサルタントで、その日の早朝に東南アジア海外出張から羽田に戻り、家に帰らずそのまま参加した。YK君はメキシコから来た。

さらにYB君が、新神戸からMN君とTH君が、また岡山でMU君、GN君、RN君が合流した。写真左端がGN君で大企業退職後、3回のヨーロッパサイクリング(計5000km以上)を終え、3日前にブラジル旅行から帰ったばかり。

JR児島駅前での集合写真(KK君撮影)。KT君だけいない。軽井沢でゴルフのため到着が遅れ、ホテルに直行するそうだ。

旧野崎家住宅(国重文)を見学する。歴史的建造物に興味のあるもの、興味あるふりをするもの、ふりをしてたら興味が出てきたもの、ふりをするのも飽きたものなど、さまざまである。

ホテルは鷲羽山よりも高所にあるせとうち児島ホテルである。迎えのバスで到着し、早速、ベランダで記念撮影をした。

ホテルからの眺望

風呂に入る前にブラジル帰りのGN君がカシャーサのオンザロックライム和えシロップ入りをふるまってくれた。カシャーサはサトウキビの蒸留酒で、ラム酒の兄弟みたいなもの。うまい!うきうきしてきた。

KT君も着き、風呂上がりの宴会が始まる。みんな浴衣姿だが、メキシコ帰りのYK君だけは裾が乱れるのがヤダといって私服を通す。

そして、翌7日朝、眺望と朝食

児島港、遅れてきたKT君と、背骨骨折回復中のMU君は帰ったので、10人になる。

本島港から1km位歩いて、本島勤番所、さらに歩く。

笠島の重要伝統的建造物群保存地区

年寄の墓(国史跡)

12:35 本島港から14:35 丸亀港。港近くの讃岐うどん屋は満員なので、駅に近い食堂できつねうどんを食べた。うどん、だし共に全く浪速風であった。

 


■■■■■看板考「運転免許証返納者1割引」  ゆはらきみこ

撮影地 :栃木県矢板市

撮影日時:2010.10

成績優秀だった弟に一度だけ勝ったことがある。卒検を二度行った弟に対して、私は一度で通り抜けた。初めて乗った車は若草色のトヨタカローラ。運転が楽しくて夜の一人ドライブをした。でも、交差点の右折が怖くて左折ばかりで帰ろうとして帰れず、墨田区から新宿区まで行ってしまい、弟に迎えに来てもらった。右折は弟の方がうまかった。

婚約した頃、アパートの契約で夫の待つ不動産屋さんに急いだ。駐車技術未熟でゴツン!バンパーに傷!あっと思ったがアパートの契約が先で急いだ。契約を終えて出てきたら私の若草色のトヨタカローラの周囲に人だかり。工事用重機車両が追突していて窓ガラスがメチャメチャ割れていた。バンパーの傷が小さく見えた。もちろん黙って一緒に直してもらった。

結婚して車はワゴン車になった。夫とケンカした。「日曜日は羽田空港に子どもたちに飛行機を見せに連れて行くって言ったじゃない。約束守らないなら私が連れて行く(首都高に乗ったことが無いけれど……)」

ケンカの勢いで子ども2人と車に乗り込んだ私。夫も無言でついてきてワゴンの後の座席を平らにして寝そべっていた。私は初めての高速道路に冷や汗をかきながら「トラック、寄ってくるんじゃない!」と心で叫びながら飛行場まで必死で運転した。もちろん帰りは夫が運転した。

タクシーに追突一回。タクシー会社の事故係が飛んで来て、言いくるめられた。車間距離を取っていない(と相手の主張)私も悪かったかもしれないけれど、あの急ブレーキの掛け方はひどい!と大声では言えなかった。自営業だったので配達・集金に都内くまなく走ったけれど、事故はこの一回だけ。

夫が早世して事業をたたみトラックについでワゴン車を売った。子どもたちが寂しそうだった。「これからタクシー乗り回せばいいじゃない!」と景気づけに私は大声で子どもたちに言ったが、それ以後一度も乗り回したことが無いと子どもたちはぼやいていた。

成人・結婚で家を離れた子どもの車を久しぶりに運転させてもらった。交差点先にタクシーの列があったが私には動いているように見えた、そのままその列についていこうとした時、助手席の息子の大声「危ない!!!」。急ブレーキ。追突まで10センチくらいだった。即、息子に免許証を取り上げられた。「みんなの人生が駄目になる。もう運転は駄目!」オーバーな、と思ったけれども老いては子に従え、たくさんの思い出のある35年間の運転履歴を50代半ばで閉じた。以後、運転免許証は身分証明書代わりになっている。

高齢者の誤った運転が社会問題化している。自主返納すれば美術館の入園料を割引(10%〜20%)、タクシーの乗車運賃1割引(一部地域) 、銀行預金利息の割増(一部の銀行)、補聴器等の割引(一部地域)、メガネの割引などそのほかにも地方色豊かにあるらしい。免許証自主返納料金は書き換え料金の三分の一の1,000円程度で「運転履歴証明書」を発行してもらえるという。来年やってくる書き換えはこれにしようと思っている


■■■■■ おばちゃんカメラマンが行く@霊山  事務局スタッフ

二度目の登頂だ〜〜〜快晴、視界良好、でも強風注意報発令。

一度目は何が何だかわからずとりあえず行ってみたが、怖いの一言。

岩場の先に立つと足がすくんだ。

その時二度行くことはないと思っていたのだが、あまり気乗りがしないまま、紅葉狩りと言い聞かせ再度挑戦。

最初の試練、見下し岩に立ち一枚撮ろうとするが、一度目の記憶がよみがえり一歩目から足がすくむ。

向かってくる風を試練と思いできるだけ岩先の方へ。

鼻水が風にあおられ上がって眼鏡にへばりつく。

カメラを構え腕を前に出すと腰が引け、腰を戻すと腕が縮む。手押し相撲のように腰引け、またそっくり返りの連続だ。

そんな恰好を微塵も感じさせない手ぶれ防止機能は素晴らしいと実感した。

それから長〜い修業が続き疲労困憊だ。もう二度と登らないと行者様に誓った。


 

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Japan Geographic Web Magazine

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Editor Yuki Takiyama

yuki at .jp (Replace at to @)

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