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Monthly Web Magazine Jan. 2018

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■ 百舌鳥(もず)・古市古墳群のベストテン   野崎順次

昨年の7月31日に百舌鳥・古市古墳群が世界遺産推薦候補と決定されたこともあって、3ヶ月間にわたって歩き回ってみた。

その結果、現地に行って大きさや起伏を見たり体感できる古墳ベストテンを選んだ。

奇しくもというか、当たり前というか、全てが前方後円墳である。名高い最大級の仁徳天皇陵や応神天皇陵は大きすぎるし、外提が視界を阻むので、選んでいない。

全て古墳時代中期である。大半が宮内庁管理地で立ち入り禁止であるため、竪穴式石室や石棺など埋葬施設を観察できるものが皆無なのは、非常に残念である。

  

まず、百舌鳥古墳群である。墳丘に何とか入れるのは、文殊塚だけである。

ニサンザイ古墳 堺市北区百舌鳥西之町3丁 

陵墓参考地 墳丘長300m、5世紀後半。

   

御廟山古墳 堺市北区百舌鳥本町1丁

陵墓参考地 墳丘長203m、5世紀前半。

   

いたすけ山古墳 堺市北区百舌鳥本町3丁338番地外

国史跡 墳丘長146m、5世紀中頃。

   

文殊塚古墳 堺市西区上野芝向ヶ丘町1丁772-3

国史跡 墳丘長59.1m、5世紀中頃。

   

次に古市古墳群。

仲哀天皇陵古墳 藤井寺市藤井寺

陵墓 墳丘長245m 4世紀後半〜5世紀後半。

   

白鳥陵古墳 羽曳野市軽里

陵墓 墳丘長200m、5世紀後半。

   

峯ヶ塚古墳 羽曳野市軽里

国史跡 墳丘長96m、5世紀末頃。

   

両古墳群の中で最もおすすめの歩行ルートは、近鉄土師ノ里の駅から南に、仲姫命陵古墳の北側を後円部から前方部にたどり、古室山古墳の墳丘を上り、さらに大鳥塚古墳の東側を進んで南の入り口から墳丘に登る。前方後円墳の起伏がよく体感できるだろう。

仲姫命陵古墳 藤井寺市沢田

陵墓 墳丘長290m、4世紀後半。

   

古室山古墳 藤井寺市小室

国史跡 墳丘長150m、4世紀後半。

   

大鳥塚 藤井寺市古室

国史跡 墳丘長110m、5世紀前半。

   

 

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