Monthly Web Magazine Sep. 2018
■ 五所川原の立佞武多(たちねぷた) そのルーツは? 瀧山幸伸
8月の第一週は東北の祭りに出かけることが多い。
東北四大祭りなどと呼ばれることがあるが、文化的価値の優劣によるものではなく、関係者が観光振興の目的で決めたものだろう。
純粋に文化的価値を議論するなら、やはり国の重要無形民俗文化財に指定された祭りは味わい深い。
八月頭の祭りの中では、青森のねぶた、弘前のねぷた、八戸三社、秋田竿灯がそれだ。
このような無形文化財の祭りは、背後にある奥深い価値を知ると何倍も楽しい。
団体旅行でハイライトを味わうよりも、数日かけて朝から深夜までじっくりと、あるいは年を変えて何度も何度も訪問して、その土地の風土と人の営みと同化して堪能したいものだ。
国の文化財ではないが、それに勝るとも劣らないと思っているのが五所川原の立佞武多だ。
かつては重厚で高くそびえる櫓型のねぷたが巡行していたが、不幸なことに街路を横切る電線のために低くなり。、さらに不幸なことに大火災に見舞われ、完全に廃れてしまっていた。
だが、近年の復活は目を見張るものがあり、地元の青森県民は「五所川原が一番見ごたえがある」という人が多い。
ねぶたや竿灯の由来は能登のキリコだという説がある。日本海添いに漁師が祭りを伝たのだとしたら当然そうなるだろう。
確かに、同じく国の重要無形民俗文化財に指定されている、能登の宝立七夕キリコ祭り、石崎宝燈祭り、お熊甲祭りなどを見れば、立佞武多の大櫓はキリコと酷似しているし、行灯の灯ったキリコが揺らぐ様は秋田竿灯とそっくりだ。
昔の資料が少なく、文化財としての認定は前途多難だろうが、観光優先でつまらない流行を追ったり外国の祭りを真似したりしないで数十年続けば、重要無形民俗文化財になるだろうと思っている。
Tachineputa,Goshogawara City,Aomori
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Nebuta,Aomori City,Aomori |
Neputa,Hirosaki City,Aomori
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Akita Kantou,Akita City,Akita |
石川県珠洲市 宝立七夕キリコ祭り Horyu Tanabata Kiriko Matsuri,Suzu city,Ishikawa |
石川県七尾市 石崎宝燈祭 Ishizaki Houtou matsuri,Nanao city,Ishikawa |
石川県七尾市 熊甲神社 お熊甲祭 Kumakabutojinja,Nanao City,Ishikawa
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