JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Apr. 2021

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■■■■■ Topics by Reporters


■ 桜の四国遍路 瀧山幸伸

今年1月に四国遍路に出かけたが、団体参詣者は皆無で、個人遍路にもほとんど出会わず、装束姿と読経のない遍路は、真冬という時期も相俟って、きわめて殺風景だった。数か所の霊場には桜の老木が見受けられたが、花の時期に訪問したらさぞきれいだろうなと思うばかりだった。

そこで、3月の桜の時期に再度遍路を行うことにした。あいかわらず巡礼者にはほとんど出会わなかったものの、予想外に美しい桜と出会えた巡礼となった。寺と寺を結ぶ道中の桜の美しさはもちろんのこと、それぞれの霊場寺院の境内にある桜の見事さに圧倒されてしまった。結果的には、88か所のうち、桜が無い寺院は2,3しかなかった。

桜の開花に合わせて霊場を巡ったので、四国をあやとりのように行きつ戻りつ走り回ることになってしまったが、充実した巡礼だった。

愛媛県四国中央市 三角寺


■ 蟇股あちこち -12 中山辰夫

鎌倉後期の1300年に入る予定でしたが、高野山の「金剛峰寺不動堂」と「金剛三昧院多宝塔」が未紹介でしたので、今月紹介しますと同時に、高野山全般についても触れます。従い、今月は高野山オンリーとなります。


■ 早咲き… 大野木康夫

 
今年の桜は、記録的な早咲きでした。
早咲きの桜は天候にも恵まれ、長持ちしましたが、遅めの桜は散るのが早かったような気がします。
新型コロナウイルス感染症を気にして、人が少なそうなタイミングで撮影に行ったのですが、予想よりもさらに人出は少なかったように思いました。

3月22日(月)

大石神社(京都市山科区)

早朝でしたが大石桜が満開だったので、数人が訪れていました。
  

産寧坂近辺(京都市東山区)

驚くほど人が少なかったです。
  


高台寺(京都市東山区)

方丈前庭のしだれ桜が満開だったので、拝観開始直後でしたが撮影目的の人が10名以上集まっていました。
  


六角堂(京都市中京区)

子ども連れを中心に、多くの人でにぎわっていました。
  


京都御苑(京都市上京区)

早咲きの桜は盛り過ぎでしたが、多くの人が訪れていました。
   


醍醐寺(京都市伏見区)

シダレザクラが満開、ソメイヨシノも見ごろに差し掛かっていましたが、例年に比べると、拍子抜けするくらい人が少なかったです。
例年であれば、平日であっても、三宝院の太閤桜(土牛桜)を無人で撮影することなどできなかったように思います。
     


3月27日(土)

山科疏水(京都市山科区)

桜の開花のピークの週末で、今年訪れたスポットの中で一番人出が多かったように思います。
花見の宴会をしている人がいなかったので、静かな観桜となりました。
  


毘沙門堂(京都市山科区)

午後の遅い時間だったので、少し人が少なくなっていました。
  


3月28日(日)

哲学の道(京都市左京区)

午後から雨の予報だったので、早朝に訪れました。
満開の週末にもかかわらず人は少なかったです。
 
  

京都府立植物園(京都市左京区)

開園直後に訪れましたが、例年数組いる結婚の前撮りグループや学生が少なく、ゆっくり撮影できました。
   


4月3日(土)

淡墨の桜(岐阜県本巣市)

4月最初の週末ですが、遅咲きの桜が満開になっていたので訪れました。
淡墨の桜は、前回訪問時に渋滞で難儀したので、早朝に訪れましたが、新型コロナウイルス感染症の影響か、人が驚くほど少なかったです。
桜は盛り過ぎでしたが、雨が降っていて雰囲気が良かったです。
  


清水の桜(滋賀県高島市)

人が殺到する海津大崎のすぐ近くで、満開でしたが、人が少なくていい雰囲気でした。
  


海津大崎(滋賀県高島市)

満開で、ピーク時の対応として、午前9時半からの一方通行、レンタサイクルの営業中止などが行われていましたが、思ったよりもずいぶん人出は少なかったです。
ただし、周回道路をドライブする車やバイクは例年よりも多かったように思います。
   

今津のエドヒガン群(滋賀県高島市)

前回は雨の中訪れましたが、曇天でも好条件で鑑賞することができました。

竹生の桜
 


夫婦桜
 


酒波寺
  


4月6日(火)

仁和寺(京都市右京区)

御室桜が4月の一週目に満開になりました。
きぬかけの道は渋滞になっていましたが、意外に人は少なく、じっくり撮影できました。
    


原谷苑(京都市北区)

撮影に行ったのは初めてでした。
満開でしたが、曇天となってしまったのが残念でした。
    


4月12日(月)から京都市に「まん延防止等重点措置」が適用されたので、遠隔地の桜の撮影は断念します。


■ 『春告げ鳥』を追いかけて 2021  酒井英樹


 今年もわが家の近くで春告げ鳥が鳴いた。昨年に比べ1月近く前の2月下旬に・・。

 以来何度も追いかけたが・・相も変わらず声はすれど・・姿は見せず・・。
 あるいは一瞬姿は見えても・・薮の中・・。
 いずれは、姿を見せてくれるだろうからとタカをくくって撮影を試みたが・・いつになっても現れず・・・。

 あの警戒心のない片足のジョニーはどこに行った???

片足で夕日に向かって囀る・・通称(勝手に名付けた)・・ウグイスのジョニー 
 

===2020年4月撮影===

 春は曙・・・。春といえば「桜」「鶯」「卒業」「転勤」・・。
 突然の辞令で心ならずも・・彼の地を離れることに・・。

 3月31日、撮影最後の日・・いつになく囀るウグイスたち。
 そして、普段はカメラを向けるとすぐに隠れる彼ら(雄しか囀りません・・)がこの日に限って、堂々と囀る姿を見せる。
 1年間追い続けてきた者への・・彼らの「春鶯囀」(舞楽の一曲)ではなく・・「贈る言葉」であったのかもしれない。・・・と思いたい自分がいる。

===2021年 3月31日撮影===
    

 
 そんな自分を新しいところでも彼らは受け入れてくれるのだろうか???と心配な気持ちを癒してくれるウグイスたちが、翌日・・新たな地にいた。

 ===2021年 4月 1日撮影===
   


■ 有明海の干潟・大授搦(だいじゅがらみ)で鳥見  田中康平

新型コロナで遠出は自粛状態ですが緊急事態宣言も一応解けたしということもあって有明海の北岸にあたる大授搦(東よか干潟)に出かけてみました。
有明海は干満の差が激しいので干潟の鳥を見るには大潮前後の満潮前1-2時間くらいに現地到着するようスケジューリングすることが重要で、気ままに行っても野鳥はよくは見れません。
自宅のある福岡からは1時間40分位かかることから潮もよくて無理なく見れるスケジュールはひと月に2-3日くらいとなりこれが荒天でない日を選ぶとなると相当に限られます。良さそうな日は逃さず出かける位の心構えが必要となってきます。
冬鳥はもうそろそろ北へ帰る頃ですが夏羽に代わっていく時期でもありそれも面白かろうと、大潮も終わりかけの3月末に出かけてみました。満潮は午前11時頃の予定でこれに合わせて8時20分頃出発、潮位は最高で5m位でピークよりは低く満潮寸前まで干潟が残るのではないかと予想していました。
10時頃に現地に着くと予想より潮位が高い、もう柵の向こうの海は潮で満ち、干潟がありません、ハマシギなどの足の短い鳥は居場所を失い群れとなって飛び回っているだけで遠くに見るしかありません。来るのがやや遅かったという感じでした。前日強い南風が吹きその吹き寄せの影響がこの日まで残ってしまって潮位がやや高くなったということの様です。それでものんびりおにぎりでも食べながら眺めていると色々鳥が目に入ってきます、
世界的な希少種であるクロツラヘラサギとヘラサギが混じった10羽くらいの群れが見えたり、1000羽以上の群れを成して飛び回るハマシギの様も面白いものがあります。
暫く待つと引き潮になって干潟が次第に現れ ハマシギやメダイチドリ、ツクシガモ、ダイゼン、ズグロカモメ等が、見えるところに降りてきて観察に忙しくなります。そうしているうちに干潟は見る見る広がり野鳥は水際ラインが後退するに従って次第に遠くなってしまい、程なく観察や撮影がきつくなってきます。ここらで引き上げとします。しかし何度来てもメリハリのある楽しい鳥見ができる場所です。

図・写真は順に 

1:地図 2:満潮40分前頃の状態、柵の内側まで波が寄せる。3:クロツラヘラサギ 4:、5:群れで飛び回るハマシギ 6:干潟のハマシギ 7:干潟の状況-奥にダイゼン、ダイシャクシギ、オオソリハシシギ、その手前にハマシギ、クロツラヘラシギ等 8:干潟の状況続き-奥にダイシャクシギ、中央にアオサギ、右端にツクシガモが半分、手前にハマシギ 9:ホウロクシギ、10:奥に後ろ向きのホウロクシギ、その左前にダイゼン3羽、更に手前側にハマシギ 11:ズグロカモメ(遠い!) 12:ダイゼン

            


 ■  犬吠埼灯台   川村由幸

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、感染拡大は続いており不要不急の外出は控えるべきとは思うのですがweb-magazineのネタが尽きてしまいました。
意を決して以前から撮影に出かけねばと考えていた昨年末に重要文化財に指定された銚子市の犬吠埼灯台に行ってきました。
可能な限り、人との接触を避けようと、早朝に出かけ撮影をしようと7:00前に現地に到着したところ、もう観光客が結構出ていて驚きました。日曜日でもありましたので宿泊していた方々もおられるのだろうと納得はしたものの千葉県の端っこでこの人出なら、残念ながら感染拡大はまだまだ続くと悲観もした次第です。
  
曇り空で早朝でもあり、青い空に真っ白な灯台という画像にはなりませんでした。
灯台・旧霧笛舎・旧倉庫の三つの建造物が重要文化財に指定されたのは昨年12月、1874年に初点灯146年に渡り海難から船舶を守ってきた歴史ある建造物です。
  
左の画像でラッパのようなものが突き出ている建造物が今は使用されていない霧笛庫でしょう。
緊急事態宣言中は灯台内部の見学は中止していましたが、現在は見学が可能です。
今回、私は早朝に訪問し、内部見学が8:30からと時間が合わなかったため見学しませんでした。
もちろん、密になるのを避ける意図もあっての見学中止です。
実は私の故郷がここから数十キロしか離れていないところで子供の頃にはここを幾度も訪れています。
灯台にも上っていますが、その景色の記憶はあいまいです。
次は人との接触に危険を感じなくなってから、灯台の内部もゆっくりと撮影したいと思っております。


■ 米原市清滝の春  野崎順次


令和3年3月27日(土)、早起きして、JR尼崎駅07:22発の新快速近江塩津行きに乗った。湖西線を走るような行先だが、米原まわりである。いつも通り、大小二つのミラーレスカメラと三脚持参で、左足首と右ひざに不安があるので、キャリーバッグを使った。現地に着くまでは、左手にステッキ、右手にキャリーバッグで、撮影を始めると、左手にキャリーバッグ、右手にカメラ付き三脚を持って移動する。

本日は米原市の柏原に行く。最大の目標は宝篋印塔群と伝小堀遠州庭園で有名な徳源院である。それから、北畠具行卿の墓や中山道柏原宿もある。

米原で豊橋行特別快速に乗り換えて、09:35に柏原駅に着いた。尼崎から2時間13分かかった。柏原くんだりまで来たぜと心の中でつぶやく。
 


徳源院は駅から歩いて20分くらいの清滝の集落にある。季節は春、天気は快晴である。歩き始めると、あーっ来てよかったとひしひしと感じる。道端や空き地の花を愛でながら歩く。
ムスカリ、コブシ、ヒマラヤユキノシタ………(名前が合ってるかなあ?)。
      

市立柏原中のソメイヨシノはまだ五分咲きである。清滝の集落が遠望できる。また、二つの山の間に伊吹山が顔を出し、その下を東海道線の列車が走る。
    

小さい白い野花、青色小花(オオイヌノフグリ)、モクレンなど。
     

徳源院に隣接する清滝神社の参道入り口両側に磐座があった。
  

徳源院に着くと、入り口に新型コロナ感染防止のため拝観休止との張り紙があった。そうだったら、駅の掲示板や観光案内看板に書いといてくれたらと思ったが、こんな気持ちのいい散策を不快にしても仕方がないときっぱりあきらめた。柵越しにシダレザクラ、塀越しに宝篋印塔群を見た。足元にゼンマイがあった。
    


桜並木の参道を戻り、柏原宿へ向かう途中でキスイセン、青色小花、ヒメオドリコソウを楽しんだ。
    


そして振り返ると伊吹山が威厳を見せていた。
 


■ 看板考 No.97 「牛乳石鹸」 柚原君子


所在地:東京都台東区浅草


シャボン玉 ルル ルルルル 
シャボン玉 ルル ルルルル 
ロマンティックな夢ね まるい素敵な夢ね 
リズムに乗せて 運んでくるのね
ホリデー ホリデー シャボン玉 
シャボン玉 ホリデー 


「シャボン玉ホリディー」は1961年から1972に渡って11年間にも及んだ日本テレビの長寿番組で、ザ・ピーナッツ、ハナ肇とクレージキャッツを中心としたコント音楽お笑いのあるバラエティエンタテインメント番組です。
植木等の『お呼びでない!こりゃまた失礼しました』という流行語を生んでいます。番組は一社提供。今は数社で提供しているのがほとんどですので、ドラマの筋が解らなくなるくらいCMが入り、視聴者の頭を無駄にかき混ぜているようですが、シャボン玉ホリデーは安心してみていられた番組でした。

一社提供番組は当時は東芝日曜劇場、花王名人劇場、日立世界不思議発見!(現在も続いている)など番組名冠に企業の名前が付いているのが特色でした。シャボン玉ホリデーの場合は牛乳石鹸が提供企業で、社名ではなく牛乳石鹸の泡をシャボン玉とイメージして表しています。
当時の裏話ではスポンサーがなかなか付かなくって、難航しているところ牛乳石鹸が要求を示し、日本テレビがそれを呑んで始まったとあります。それは、番組名冠に「シャボン玉」と付けること、また電通の堀貞一良氏からの牛乳石鹸へのアプローチだったためにその労をねぎらって堀貞→ホリティ→ホリデーとしたそうで、日曜日に絡んだもので無かったことが笑えます。また牛乳石鹸であることから番組冒頭に牛の鳴き声「モー」がはいることなどが整えられて番組が始まったそうです。
※大ヒットロングランの「シャボン玉ホリディー」の他にも、「蝶々雄二のシャボン玉劇場」「モウモウ湯繁盛記」「シャボン玉寄席」などがあります。

昔ながらの牛乳石鹸は赤箱と青箱があり、青箱は昭和24年発売。保湿成分があまり入っていないさっぱり系でジャスミンの香り……どちらかといえば若者男子向け。赤箱は昭和3年発売で保湿成分がしっかり入っていて女性好みでローズの香り。

固形石鹸派は少なくなっていますが、私は固形派。詰め替え用もポンプもいらないし余計なものがあまり入っていないのが愛すべき理由。


■ おばちゃんカメラマンが行く 四国88ヶ所お遍路桜紀行  事務局

桜前線はコロナお構いなしに順調に北上しているようだ。

今年は四国88ヶ所お遍路桜紀行を撮影したが、一斉に咲き出した桜を追うのは大変だ。
焼山寺、金剛福寺と横峯寺以外は桜との撮影はなんとか撮れたが慌ただしいものだった。
特に残念だったのは、遍路とは関係ないが、徳島県三好市の下久保桜だ。ジャパジオの大野木さんの素晴らしい写真を参考に見に行ったのだが、夕方で雨が降り出し、しかもみぞれに変わってさんざんだった。連れ合いはお構いなしに濡れながら撮影していたが、雨がシャーシャー横切る写真だった。
これが残念だった賞1位とすると第2位は高知県大月町の月光桜だ。
満開でいい雰囲気だったのだがやはり月光と言うからには月明かりで見たいものだ。
ちょうど満月近くで、ライトアップもしたという絶好のチャンスを逃してしまった。真っ白な桜のバックの山越しからちょうど満月が出るらしい!夜の撮影に耐えられれば神秘的な写真が撮れたことだろう。
準備と忍耐と体力どれも最近衰えて来たようで、運任せに動き回っても思うようには行かないようだ。

 


★今月のニャンコ @再度屋島寺

岩合さんにも見初められたらしいえら〜い猫ちゃん
椅子を独り占め
先月の反省猫ちゃんは棚にいました。待遇違いすぎ!

 




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Editor Yukinobu Takiyama

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