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12月30日(金曜日)

7時起床。窓は凍っていない。別府は暖かい。

朝一番で秘湯探訪しよう。

 別府へびん湯

Beppu Hebinyu 

細い山道を登った山奥、谷あいに湧く無料露天風呂。

温泉ファン以外は訪れない秘湯。

湯は透明。

地元の人々の力で維持されている。

 別府鍋山の湯

Beppu Nabeyama no yu 

へびん湯に近い、鍋山の地獄に湧く無料露天風呂。

湯は灰白く濁って、硫黄の匂いが強い。

へびん湯よりもさらにワイルド。山男向け。

車上荒しが頻発するとのこと。

へびん湯同様、一般客にはおすすめしない。

 宇佐八幡神社 

Usa hachiman

本殿は国宝。

初詣は混雑するが、今朝は人も少なくのんびり。

天然記念物の境内林が素晴らしい。

鳥の鳴き声が心地よい森林浴が楽しめる。

やはり、神社や寺は朝早く訪れなければならない。

最近がっかりするのは、掃除にエンジンブロアーを使用する所があること。

便利なのだろうが、周囲に響き渡る騒音のため、せっかくの静寂が台無しになってしまう。

その間、じっと録音を待機せざるをえない。

朝の清掃も修行、儀式なのだから、機械に頼るのは残念。

禅寺でもブロアーを使う寺がある。

非日常体験、自然との一体感を求めて訪れる人への配慮がほしい。

機械といえば、録音で解説を聞くのも抵抗がある。

解説は案内板や印刷物で間に合う。

その地特有の祭り、音楽など、マルチメディアが必要なものは別の部屋で鑑賞させてほしい。

 宇佐善光寺 

Usa Zenkouji

そてつが両翼を飾る美しい本堂。これも極楽浄土の一形態か。

ひっそりとした門前の景観が好ましい。

 豊後高田 昭和の町

Bungotakada Show no machi

昭和を保存再現した街として脚光を浴びている。

商店街は、通常の枯れた地方商店街と同様だが、開き直ってそれを進化させているところが良い。

昭和に限らず、江戸時代から栄えた商業の遺産と伝統を発見、再評価している。

店先にその店舗の家族史をおりまぜた説明板を掲げ、パーソナルで物語のあるテーマパークを志向している。

例えば、呉服屋さんの古風な営業車、3代前の奥さんの嫁入り衣装、繕いの残る白足袋など。

電気屋さんでは、昭和30年代のテレビ、洗濯機、冷蔵庫。

薬屋さんでは、自家調合した薬の袋。

お 茶屋さんの古風な玄米茶袋、、、

などなど。

他では「ゴミ」と思われている古いものを蔵から引っ張り出してきて、ショーウィンドウに飾る。古い写真も飾られ、郷愁を誘う。

何より一番良いのは、それのおかげで訪問者と店の人のコミュニケーションが生まれ、「こころ」の記念品として購買されるのは当然として、結果的にはクチコミ宣伝とリピーター確保に繋がるのではないか。

元銀行を保存したホールでは、昔の街並や行事を記録した写真を飾る。

さらに工夫するとすれば、写真の撮影場所探しスタンプラリーツなどか。

昔の写真と同じ場所、アングルで今の街並を撮影し、比較できればなお嬉しい。

とにかく、街を活気付かせるには、訪問者の滞在時間を長くする工夫が必要だ。

究極的には、一泊しないと楽しみ尽くせない街、夜の散歩が楽しい街をめざしてほしい。

 富貴寺

Fukidera

国宝本堂。古いだけではなく、伽藍内部も一見の価値がある。

 元宮磨崖仏 

小さいが、こじんまりまとまっている。道の脇にあるので訪問しやすい。

 熊野磨崖仏 

Kumano magaibutsu

長く急な石段を登る。

大きな崖に、2体の仏様が彫られている。

ダイナミズムと静寂さ、美しさ。

磨崖仏の中では一番の感動。

 元宮磨崖仏

Motomiya magaibutsu

こじんまりとした仏様

鍋山磨崖仏は時間に追われ、三の宮の景からの遠景のみ。残念。

 田代家五重塔 

Tashiroke gojuutou

林にひっそりと佇む小さな石塔。

 財前家宝塔 

Zaizenke houtou

石の宝塔を中心に、多くの五輪墓が並ぶ。

墓からの眺めが良い。

墓は、このように自分の支配する土地を見晴らす場所に作るのが気持ち良い。

風水、地理学的に言えば地域環境は重要だ。

 国東泉福寺

Senpukuji

明日の大晦日の竹筒燈火の設置作業におおわらら。

昨年までは提灯を飾っていたが、今年はこれを試すそうだ。

住職にお願いして開山堂を撮影。

国東半島の磨崖仏と石塔はまだまだある。

今度はのんびりと廻りたいものだ。

さて、どうやって東京に帰ろうか。

・門司に出て高速に乗る。疲れるな。

・門司から大阪までのフェリー。瀬戸内の船旅は体験してみたい。江戸末期から明治初期、海外が認めた「世界一美しい航海の光景」

・門司から東京へフェリー。元日の朝到着となってしまう。これでは家族に申し訳ないし、初日の出が見えるとはいえ、寂しすぎる。

・別府から大阪までのフェリー。

結局、出発時間との都合で、門司から大阪へのフェリーに乗船。

ロマンチックな旅となり、歌か物語でも創作しようかと期待していたが、船内はざわついていて、船旅ムードとは無縁だった。創作意欲も起きず、ビールを飲んで12時過ぎ就寝。

今夜は新月。イスラムの聖なる日か。

今宵、私の旅が終わり、新たな月が生まれる。

今回ほど月の美しさと躍動感を愛したことはなかった。

月を見るのが癖になりそうだ。次の満月が待ち遠しい。

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