MONTHLY WEB MAGAZINE Jan.2011

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12月の新着情報

New contents in Dec. 2010

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トピックス

Topics

■■■ 年末の九州文化財紀行 瀧山幸伸

この時期の九州はオフシーズンなのでその土地の本音が見えるのだが、今回もまた雪に悩まされた。大きな目的地は三つ。

一つ目は、世界遺産正式登録の有力候補と思われる長崎を中心とする隠れキリシタン遺跡の調査。

昨年は主に五島列島と佐世保平戸など北部を回ったが、今回は長崎以外でリストに掲載されている天草の崎津大江、福岡の今村

そして世界遺産リストには入っていないがキリシタン大名大村忠純やルイスフロイスゆかりの隠れキリシタン史跡である横瀬浦殉教地などを重点的に回った。出津はあいかわらず補修中だ。

世界にも稀な殉教者の多さは日本人の世界観の特殊性ゆえかも知れない。

二つ目は、大分の国東半島を中心とする独特の文化、主に六郷満山文化の調査。

世界遺産への動きが加速されマスコミや観光業界に蹂躙される前に調べておかなければならない場所が多くあり、予備調査の二回目だ。

国東の六郷満山文化は、鎌倉時代を最盛期とした神仏混合であるが、キリシタン大名大友宗麟の影響で当地にも隠れキリシタンがいた。

日本のマルコポーロとも言われ、ローマカトリックが列福した「ペトロ岐部と187殉教者」のペトロカスイ岐部は国東の岐部出身である。

竹田の隠れキリシタン洞窟などに比べ国東での実態はよくわからないが、岩戸寺の子安観音は隠れキリシタンにとってのマリア様とキリスト像であると思われる。

応歴寺の隠れキリシタン五輪塔、その奥の隠れキリシタン村と言われている有家など、さらに詳しい調査の必要性を実感した。

『石のマリア観音耶蘇仏の研究』(高田茂/立教出版会)を古本屋で買い求め参考にしているが、本に掲載されていない地では、隠れキリシタンが世間を欺くための子安観音なのか、単なる民間信仰の子安観音なのか、判断に迷う。

三つ目は、サステイナブルシティと重要文化的景観の研究関連で、日田の小鹿田焼きの里への訪問だ。小鹿田焼きの里の唐臼の音に癒される。

■■■ 奥日光の初冬風景 田中康平

今年の冬は気象庁の長期予報では暖冬傾向となっていましたが、ツバメの旅立ちが例年よりめっきり早く、ツバメの南への渡りが早い年は必ず大雪になるといわれることから大雪が予見されていました。

果たして年末年始は近年にない大雪となり、スーパーコンピュータの予測も生き物の予測の力にはまだかなわない結果となっています。

どのようにツバメが予測しているか興味深いものがあり、或いは北から渡って来る冬鳥から情報をもらっているのかもしれません。

12月上旬の奥日光も戦場ヶ原では木道が雪をかぶってこの時期にしては少し早めに冬らしい雪景色となっていました。

菖蒲ヶ浜にまわると風が強い戦場ヶ原から逃れてきたのか、ヤドリギにヒレンジャクが群れています。

糞もヤドリギの実そのままで面白いところがあります。

いつもは年が明けてから現れるレンジャクは11月から現れており北の冬が今年は厳しいためか北からの渡り鳥も今年は早いようです。

■■■ 大晦日の府中大国魂神社 酒井道夫

大晦日の朝、府中大国魂神社にお参りするのはかれこれもう半世紀にわたる習慣。

以前は元旦にも出かけたりしたが、その雑踏ぶりに音を上げて暮の参拝に切り替えたのは何時頃だったろうか。

かつてはお百姓や様々な職人相手の道具を商う市がひらかれたりして風情があった。

生きた鯉をその場で捌いて売る、ひょっとして古式な包丁儀の流れかな?と思わせるような屋台もあったのだが近頃はこれも見かけない。

私の老母が来年で白寿を向かえる。数えなら百歳。

なんとかこの暮も過ごせたようだから、ヨタヨタ歩きを両脇から抱えるようにしてお礼参りを敢行した。

毎年参道に店を出す屋台の一つで、ささやかな神棚の飾りを新しく買い替えるのだが、今年は「このバアチャンは99歳だ」と言ったら、いろいろお世辞を言ってくれたので、すこし大型の飾り物を奮発してしまった。

五日市辺りで一人で手作りしている人がいるという竹細工もの。

近頃では中国製だったり機械製だったりすることも多いなか、これは純粋な日本製だという蘊蓄付きで買ってきた。

うーむ、なかなか繊細な作りだが値が張った。ちょっとまけてくれたけど。

■■■ 秋明菊のこと 野崎順次

晩年に田舎の家ができた。子供のない叔父夫婦が住んでいた。

近くに祖先の墓が13基ある。その叔父と養子縁組をした。いわゆる墓守り養子である。

家の前にちっぽけな三角形の畑地がある。未だに秋になると、叔父が愛でた上品な白い花が咲く。

一般に秋明菊と呼ばれるが、菊ではなく、キンポウゲ科の多年草でアネモネの仲間である。

学名はAnemone hupehensis var. japonica、英文名はJapanese anemone (日本アネモネ)。

別名が多く、貴船菊、秋牡丹、しめ菊、紫衣菊、加賀菊、越前菊、唐菊、高麗菊、秋芍薬などなど、やはり、日本では菊の仲間と考えられがちである。

原産地は中国で、日本には大昔に渡来して野生化したらしい(史前帰化植物)。

花の色は白が一般的と思っていたが、本来は紅紫で、白、ピンクは交配品種とのこと。

花は花弁状の萼片が目立ち、本物の花弁はない。

花期は通常9〜10月だが、今年は夏の異常猛暑の影響で、11〜12月であった。

ヨーロッパで人気が高いそうで、そういえば、ロンドンの住宅地やハイドパークで見かけた覚えがある。

花言葉は、「忍耐」「薄れゆく愛」「多感なとき」

■■■ 師走風景 大野木康夫

以前から、Japan geographic TV は、レポートを文化財巡りの参考にさせていただいておりましたが、昨年10月から暫定通信員にしていただきました。

京都(山科は一応京都市内ですが住民は旧市街に行くことを「京都に行く」といいます。)在住という地の利は十分生かし切れていると言い難いですが、瀧山様はじめ皆様の貴重な教え(これも生かし切れているとは言い難いですが)に助けていただき、なんとか投稿を続けております。

12月のwebマガジンに載せた紅葉の写真も全部投稿できていないのに、暮も何やかやと写真を撮りに行きました。

21日の昼休みに、昼食を抜いて終い弘法に行きました。

予想以上に混雑していて、もう少しで始業に間に合わなくなるところでした。

25日の土曜日に子どもを連れて終い天神に行きました。午後から行ったので、まだ空いている方だと思います。

子どものとき買ってもらった「こぼれ梅」(味醂の粕)を買ってやろうと、露店を探し回りましたが、やっと一軒だけ残っているのを見つけました。

27日の午後から代休を取って、知恩院の除夜の鐘の試し突きと、六波羅蜜寺の空也踊躍念仏(かくれ念仏)を見ました。

知恩院では大鐘楼の柵の周りを写真を撮りに来た人が取り囲み、さらに柵の内側はマスコミのカメラマンでいっぱいでした。2時開始ですが、30分ほどは柵の外からの写真撮影はほぼできません。

かくれ念仏はマスコミも含め写真撮影はできませんので、本堂の扁額をビデオで撮影して、音だけ拾いました。

これで今年の撮影も終わりと思っていましたが、大晦日に、雪が降ってきましたので、車で15分で行ける醍醐寺に撮影に行きました。

その後、実家近くの友人宅(下京区天使突抜一丁目)でおせち料理を作っていた家内と子どもを迎えに行く頃には、降り続く雪で国道1号線が大渋滞になっていました。

あまり雪が降らない京都ではこの程度の雪で、東山を超すのも難しくなります。(帰りの方がもっと大変でしたが。)

たまっている写真や、(手持ちで撮った)動画は近日中に投稿します。

今年も御迷惑ばかりかけるかもしれませんが、よろしくお願いします。

■■■ 2010年 JAPAN GEOGRAPHIC.TVと私 川村由幸 

きょうは12月31日、2010年もいよいよ幕を閉じます。

JAPAN GEOGRAPHIC.TV(以後、J.G)の主、瀧山様、そして奥様には交流会などで大変お世話になりました。心より感謝致しております。

J.Gの通信員の皆さん、皆さんと交流会でお会いしお酒をいただきながらの談義は忘れることができません。

新しい年にも、このような機会に多く恵まれますことを期待しております。

さて、今年のJ.Gと私ですが、瀧山様の手を煩わせてUPいただいた件数は1月の牛久シャトーに始まって、今月の錦帯橋まで全61件でした。

この中で最も印象深いのが7月の雄国沼 ニッコウキスゲの群生でした。

木道を歩くと、今年の厳しい暑さの中でも涼しい風が吹き、それに揺れるニッコウキスゲは本当に美しいものでした。

もう一つ、心に強く残ったのが日光東照宮です。

過去に幾度も訪れていますが、20年ぶりに9月に再訪しその華麗さを再認識しました。

寺社とは、元々極彩色に彩られていたもののはず、日光東照宮はあるべき姿で残されていると言えるのでしょう。

最後は、日本銀行です。

この建造物は今まで幾度も目にしていたはずですが、10月に取材しその重厚さに圧倒され日本金融の中心にふさわしい建物だと感じました。

心配は、東京という人口と国の機能が密集している地域に、あの非効率さが将来とも長く許されるかという一点です。

J.GにUPしていただくための写真取材、今では私の大切な楽しみになっています。

時間があると次はどこに行こうかと考えている自分が居ます。

それでも、瀧山様にはUPの情報量が少ないとお叱りをいただくこの頃です。

未だ、写真の良し悪しも見分けられない私ですが、新しい年には量・質ともに充分な取材結果が残せるよう、そしてまた皆さんと美味しいお酒がいただけるように努力したいと祈念しております。

それでは、皆さんにとって新しい年が素晴らしい一年となることをお祈り致しております。

■■■ 23年度のカレンダー 中山辰夫

日を追って忘れごとが多い毎日。カレンダーが手放せません。現役時代と同じ手帳タイプと家中に2枚を備えて対応しております。

カレンダーは書込みスペースの大きいもの、絵柄の美しい、優しいものから選びます。一年間のお付き合いとなる大切なものです。

ところで、国内では1億2千万冊のカレンダーが年の瀬に流通するとか。6割が企業のPR用で、実際に使われるのはその何分の一。

暦は553年頃日本に伝来。日めくり式は1903年(明治36年)、月めくりは1945年(昭和20年)頃から始まったようです。

ここ数年来、携帯電話に押されて、ややもすれば特徴も個性も欠如し、儀礼的な配布物となったカレンダーは使う意欲が起こりません。

我が家の23年用は久しぶりにピエール・ジョセフ・ルドーテの「バラ」です。

繊細なタッチによる自然な美しさと花だけを一筋に描き続けた愛情に触れて、この一年過します。

■■■ 東京タワー カウントダウン前後 柚原君子

スカイツリーが男性的だとしたら東京タワーは女性的だなぁと思いました。

東京タワーのほうが色っぽい気がします。 続く

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Japan Geographic Web Magazine

編集 瀧山幸伸

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