MONTHLY WEB MAGAZINE Feb.2011

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■■■ 卯年 酒井英樹

昨年10月暫定の通信員になって以来、さぼり続けていたWEB.マガジンの投稿、年が改まった新年第一号から始めようと張り切っていた矢先、インフルでダウンし年末も正月も有ったモノではなくついに投稿が出来ず仕舞い。

書き終えていた原稿を没にする訳にもいかず一ヶ月の遅れとなった投稿、しかも話題が新年対応で・・すみません。許してね・・。

新年明けましておめでとうございます。・・・えっ?

じつは本当は平成22年末に大半を書き綴った文章なのですが、諸事情で投稿できずに・・まあ・・話題が話題だけに旧暦の新年(旧暦で今年の元旦はユリウス暦では2月3日)だと思って許してください・・。

さて、新年早々問題です。

ズバリ、今年の干支(えと)は?・・・

「何このクイズ」

正月早々何呆けているの?というつっこみが聞こえてきそうですね。

答えは『卯(う)』つまり うさぎ年 に決まっているじゃないの。

そんなの今時幼稚園児でも知っているわよ・・等々聞こえてきそうですが・・

実は不正解です。今年の干支は『辛卯』(「かのとう」あるいは「しんぼう」と読みます)にあたります。

干支とは十干と十二支を組み合わせたもので全部で60(10×12=120ではなくなぜか60?)種類あり、60年周期で一巡します。一番有名なのが『丙午(ひのえうま)』

でも正月早々明るい話題をしたいのに 「しんぼう 辛抱??」だの・・「辛い」だの・・縁起が悪すぎ・・。

要は「辛」の字がよくない。よって話題は「辛」の文字をとって「卯」つまり兎の話。

十二支では子・丑・寅に続く4番目。十二生肖では兎が当てはまる。これは、お釈迦様がある時、いろいろな動物たちに招集をかけたのですが、その時お釈迦様の基に到着したのが4番目だったのが兎という逸話から。

では、第2問・・12番目に到着した動物は?

答えは「猪」

ではなくて・・実は「豚」なんです。亥は猪ではなく日本以外では豚なんです。

話がずれたついでに・・なぜ猫が入らなかったのかというと、鼠が猫と一緒ではイヤなので嘘をついてだましたため、遅れてしまい『残念組』に鼬、蛙、鹿と供に入らざる得なかった。それから猫は鼠を目の敵にしているとか・・。

さて、ここはJGのサイトなのでそれなりのまじめな話に戻して・・。

神社やお寺にある兎の彫刻を捜してみた。

まず浮かぶのは薬師如来の眷属である十二神将の摩虎羅大将の頭によく見る事が多い。

摩虎羅大将なんだから虎じゃないの??

・・でも摩虎羅大将は東を守るため、十二支の最初の子が北としたら時計回りでいくと卯は東になるので摩虎羅大将が兎になる。

次ぎに塔の初重の蟇股に十二支が揃って彫刻されていることが多いですね・・。

塔の初重は一つの面で3間(柱と柱の間が3つという意味)、それが東西南北4面有るから丁度蟇股の数は12個になる。

古来より寺院は通常南大門が正門になる。つまり南からはいる。参道は南から北へ・・

8世紀になると塔は双塔となり中心線からずれ建つことが多くなる。

参道の西側(つまり左に有る場合)東面が参道に面することになり、東面の真ん中は兎の彫刻がきます。 

写真1 写真2 写真3 写真4
日光東照宮五重塔 池上本門寺五重塔 上野旧寛永寺五重塔 南宮大社高舞殿
東面中央蟇股彫刻 東面中央蟇股彫刻 東面中央蟇股彫刻 東面中央蟇股彫刻
 

♪うさぎうさぎ 何見て跳ねる 十五夜お月さん 見て跳ね〜る♪

日本人は兎と言えば・・月・・。

でも、写真で見ても解るように兎との組み合わせに月はほとんどないです・・。あまり記憶にない・・。

彫刻ではなぜか兎と組み合わせは波です。波立つ海でなぜか兎は跳ねるんです。

これは『因幡の白兎』にある「白兎は和邇の背中を飛び渡って海を渡った」という逸話を起因した図柄から取ったためといわれています。

だから、彫刻の兎はたいがい白いんですね・・。

これから野生の兎が増えるそうです。

ペットショップで兎がちょっとしたブームとか・・。

でも兎は意外と飼いにくい・・すぐに飽きて捨て兎が増加し野生化するとか・・。

どうか辛卯の今年が兎にとって辛い年とならないように・・

動物の彫刻を所狭しと飾っている日光東照宮

十二支で一番多いのは鳥。でも鶏となると1つだけ。鳥を除くと虎そして兎となります。

写真5 写真6 写真7 写真8
日光東照宮上社務所彫刻 日光東照宮本地堂彫刻 日吉東照宮拝殿 北野天満宮
    内部南面蟇股彫刻  西透塀彫刻
 

寅は言わずとしれた徳川家康の生まれ年、卯は二代秀忠の生まれ年、東照宮は三代家光の頃に建てられたのだから祖父と父を敬ったのかな・・。

時代劇などでは秀忠と家光の仲が悪いように描かれていますが、実際はきちっと敬っていたと思いたいですね・・。

なんせ、秀忠の干支は『己卯』(つちのとう) 別の読み方をすると、きぼう と読むんだからね。

ちなみにこの文章を書き終えた今日は1月24日です。今日の日に書き終えたくて・・。

そう・・今日の干支も『己卯』ですよ・・。今年が希望に満ちた年であることを祈念して・・。

追伸、我が家も年末のトナカイから白兎にバトンタッチしました。

でもいくら何でも多過ぎるのでは・・いくら兎が鼠と同様にすぐに増えるといって・・200羽・・・・そう思いませんか誰かさん??・・。

写真9 写真10
我が家の白兎達 その1 我が家の白兎達 その2
 

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