MONTHLY WEB MAGAZINE Apr.2011
■ 「遠隔地で被災地に対してできることとは」 大野木康夫
京都市に勤務しているので、震災直後から職場の知人が災害派遣で何人か現地に行っていました。
3月までいた上下水道局では、最近まで応急給水(茨城県利根町、仙台市)を行っていましたが、現在では下水道管路の被害調査(仙台市)を行っています。
他の部局では、消防局の緊急救助隊は南三陸町で活動中、仙台市では青葉区役所に現地災害対策本部を置いて、パッカー車での災害ゴミの運搬(環境政策局)、避難所での防疫や健康相談(保健福祉局)、学校再建支援(教育委員会)などを行っています。
経理担当(現在は会計担当)の私は、費用の支出や精算事務しかしていませんでしたが、現行の仕組みの中で、できるだけ円滑に費用が支出できるよう努めたつもりです。
上下水道でいうと、浄水場は比較的高い所にあり、津波による被害は受けにくいため復旧は早いですが、配水管が断裂したりすると水道としての用をなしません。
下水処理場は必ず市街地よりも低い所にあり、津波の被害が甚大ですし、汚水管も少なからず被害を受けています。
仙台市HPで南蒲生浄化センター(下水処理施設)の被害状況をみると、管路や設備の更新工事と土木構築物の修理工事が必要と思われるので、復旧には年単位の時間がかかると思われます。
早急に、日本中の水道関係業者が被災地の復旧を優先して行うなど、国内の業者や自治体が連携した戦略的な対応が必要だと思います。
近所(京都市山科区)の市営住宅にも、福島の浜通りなどからの避難者が入居しました。
全国で受け入れ可能な公営住宅や宿泊施設は多く用意されていますが、遠隔地であるため、縁故避難された方が入居されることが多く、なかなか実効ある取組になっているとはいえないと思います。
一方、京都市内の催しでも、中止(醍醐寺豊太閤花見行列など)、縮小(京都御所一般公開の人形等の展示や雅楽、蹴鞠の中止)、延期(法然上人800年大遠忌法要)などが相次いでいます。
予定どおり行う行事でも、開始時の黙とうや、義援金の募集など、被災地に向けた取組を組み込んでいます。
個人的には、4月以降の行事については被災地への配慮を組み込んだ形で予定どおり行い、国内経済を少しでも回していく方がよいと思います。
■ 「三寒四温」 大野木康夫
3月26日の朝、滋賀県の甲賀に行きました。
家を出てすぐに雪がちらつきだし、信楽の飯道山についたら少し積もっていました。
飯道神社まで登る山道は雪で滑りやすく、神社は雪の中、行場は危険な雰囲気で近寄ることもできませんでした。
水口の八坂神社は少し横殴りに雪が吹き付けていました。
甲南の新宮神社でも雪がちらついていました。
甲賀の油日神社は、滋賀県でも好きなスポットの一つです。
檜皮葺の屋根が雪化粧をしていました。
この日は大安だったのでお宮参りの準備で幣殿が開いており、本殿を撮影することができました。
土山の加茂神社も雪景色の中でした。
本殿を覆う覆屋の扉はいつもどおり厳重に閉ざされていました。
翌日、山科小野の随心院に「はねず踊り」を見に行きました。
昨日とは打って変わって、穏やかな春の日差しが暖かかったです。
随心院は梅の名所です。
「はねず踊り」の「はねず」(唐隷、朱華)とは庭梅又は薄い朱色のことです。
かつて地元の子どもが遊びの中で歌い、踊っていたのですが、大正年間にいったん途絶え、昭和48(1973)年に形を整えて復活しました。
今では、随心院の門前で、地元の小学生が、色鮮やかな衣装を着て踊るようになりました。
(時節柄、冒頭に震災の犠牲者に黙祷をささげてから始まりました。)
その後、地元中学生が白拍子に扮し、「今様」を舞いました。
4月2日の朝、早咲きの桜を求めて京都御所に行きました。
歩くだけで少し汗ばむような暖かい晴天でした。
御苑の北西、近衛邸跡の枝垂桜は早咲きで有名です。京都の桜の名所が軒並み「つぼみ」又は「咲き始め」でも、満開でした。
事前に申し込んで御所内を参観しました。
右近の橘はまだ覆いで囲まれており、左近の桜はまだつぼみでした。
参観を終えた広場の枝垂桜は、ちょうど見頃でした。
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