MONTHLY WEB MAGAZINE May.2011
■ チューリップとタンポポ 中山辰夫
4月に入って我が家ではチューリップが、野道にはタンポポが咲き誇った。春を告げるものとして好きです。
でも被災地には花が無い。秋に花の種や球根を送り来年は、今年と違った4月を迎えてもらうことが出来ないだろうかと思う。
今年初め旅して、チューリップの原産地がトルコで、国花でもあると知った次第。
チューリップ図柄のタイルが宮殿やモスクで多く使われていたことからも、その誕生や変遷をうかがい知ることが出来た。
その為か、今年は例年になく愛着を持って観察した。
4月10日過ぎから5月連休明けまで日々の変化を楽しませてくれました。
チューリップについての簡単な説明を添付します。
ついで、タンポポですが、タンポポは世界に2000種、日本に約10種があるとか。
日本でもっとも広く繁殖しているのは残念ながら西洋タンポポ。
明治時代に持ち込まれたようですが、その強い生殖能力で瞬く間に九州から北海道まで広がり、在来種は山奥や半島などでかろうじて生き残っていると聞きます。
「日本タンポポと西洋タンポポ」その違いは・・・・。
このタンポポが社殿の「蟇股」の図柄に彫られているとのこと。
滋賀・下坂本の古刹・聖衆来迎寺で出会いました。
描かれているのは日本タンポポ。国内中でもその数は非常に少ない。
京都・滋賀でタンポポが咲いているとされる情報をもとに、他の例を訪ねましたがなかなか判別ができなかった。
察するに、往古にはタンポポが珍重された時期もあったのでしょうか。
聖衆来迎寺 開山堂(大津) : 均整の取れた全景(12ケの内の1ケ)と開山堂の全景
北野天満宮本社(京都) :拝殿左側蟇股9ケの内1ケと拝殿全景
御香宮拝殿(京都) :拝殿の蟇股18ケの内1ケ、だろうと推定したタンポポ(花の色と葉っぱが違う)と拝殿の1部
二条城二の丸殿舎(京都) :らしきもの2ケ(どう見ても菊?)と唐門
西本願寺唐門
「建築の飾りに現れた動植物」は蟇股・木鼻・手狭・破風に見られます。
寺社建築の歴史にも関連し、過剰装飾にも思いが含まれているのでしょう。興味一杯です。
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