Monthly Web Magazine Dec. 2015

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■■■■■京都の紅葉を50年ぶりに見る 田中康平 

高校時代は父の転勤の関係で関西で過ごしていた。50年くらい前のことになる。受験勉強につかれた時、一人で京都を巡ることがあった。そんな記憶が体のどこかに残っていて、時々京都が気になるような感じがする。こんな訳もあって今年の秋は紅葉の京都を巡ってみたくなった、京都の紅葉は高校の頃学校から1−2回バスで授業の一環のような形で見に行った記憶があるが、それ以来かもしれない。

仙洞御所の参観が12月1日の午前分で当選したのでそれを軸に2泊3日ででかけた。

今年の紅葉は暖かい日が続きまだ青葉も残るところもあったり赤くならずに落葉してしまったり今一つの感がなくもないが、それそのものが自然の営みの結果でもあり移ろい行く様が面白くもある。久しぶりの京都の紅葉はそれぞれに心に残るものがあった。

以下訪れたところを順に

平等院:まだ青葉が目立ったが建物が派手なので丁度いい塩梅のようにも感じられる。鳳凰堂の中を初めて見た。

  

東寺(ライトアップ):20年ぶりのライトアップという。五重塔もライトアップされスケールが大きい。混んでなくて落ち着いてみられたのがいい。

   

東福寺:朝一番に通天橋を訪れた。通天紅葉(トウカエデ)は大分散っていたがイロハモミジの赤の海のような景観は迫力がある。重森三玲の手による方丈の庭も面白い。

     

仙洞御所:紅葉を全面に押し出した感じのする庭園がちょうどいい時期に当たった。押し付けるようなところのないそれでいてその量と奥行を感じさせる紅葉が心地よい。

   

京都御所:建物にかかるもみじや御内庭の紅葉の風情が歴史を感じさせてちょっといい。

   

嵐山:もう大分葉が落ちていて色がさえない。暑さ負けの感じがする。

 

天龍寺:回遊できる庭園の紅葉は赤と黄色がバランスよく交じり合いなかなかいい。

  

宝嚴院(ライトアップ):圧倒されるような量を感じる。光の遊びも面白いが写真にとるとちょっとどぎつくなる。

    

北野天満宮:本殿後ろのイチョウの朝日に輝くさまもなかなかで、もみじ苑の紅葉も自生しているような自然な感じがあって好ましい。

   

金閣寺:修学旅行でとても混んでいたが丁度いいくらいのもみじが庭をうまく彩っている。

   

龍安寺:石庭の後ろにほのかに見える紅葉が緩やかに季節を伝えるようでちょっといい。西源院湯豆腐で一休み。

   

等持院:混雑はなく落ち着いて見頃の紅葉を眺められた。

  

京都タワー:あんなにある紅葉はここからは僅かしか見えない。京都はやはり庭の紅葉だと実感する。(写真は清水寺遠望)。

 

どこもそれなりに感じるところがある。山の紅葉とは違った人の巧みの技がちりばめられているようでそこらあたりが様々に面白い、しかし疲れる、体力が要る。また来れるだろうか。

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