Monthly Web Magazine Apr. 2015

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■■■■■ 奈良と高野山 川村由幸

三月の20日過ぎに奈良と高野山を廻ってきました。桜の季節の混雑を嫌い、訪問時期を早めたのですが、今冬最後の寒波来週で寒さとの戦いとなってしまいました。

それでもまず最初におどろいたのが、東大寺参道の鹿と外国からの観光客の多さでした。

霙が降ったほどに冷え込んでいるにもかかわらず、大勢の人出なのです。ただそれも大仏殿までで、それより奥に進むと静けさを取り戻します。

建造物もほとんどが国宝か重文で見ごたえ充分なのですが、やはり東大寺ミュージアムで見た仏像の数々に最も感動しました。撮影ができないことは覚悟していたとは言え、残念な思いで一杯になりました。

続いて興福寺へ、興福寺は山門が失われていて、いきなり国宝の五重塔と東金堂が目に飛び込んできます。

興福寺は今中金堂の再建工事中で北円堂にも近づけません。それでも国宝館では阿修羅を筆頭に国宝の仏像を鑑賞してきました。南円堂のしたにある三重塔を見逃したのは事前学習不足で情けないことでした。

関西在住の方は、このような文化財をいつでも見ることができるのが、とても羨ましく思えます。

奈良市内は乗合バスでの移動を考えていましたが、寒さに負け、薬師寺への移動はタクシーです。

薬師寺も今、東塔が工事中で見ることができず、朱色の建物ばかりでシャッターを押す気も起きず、薬師如来に深々と礼をして唐招提寺に向かいました。

唐招提寺の金堂は姿が良いお堂です。惚れ惚れします。

ここも建造物のほとんどが国宝か重文、たくさんの文化財に囲まれているだけで満ち足りた気持ちになります。

金堂内の仏像もゆっくりと拝観でき、奈良時代の制作技術の高さに驚かされて時の過ぎるのを忘れるほどでした。

どの寺も境内が広大で歩いて回っただけで疲れ果てました。初日はここまでです。

翌日は宇陀市の室生寺からスタート。今日からはレンタカーを利用しての移動です。

金堂に安置されている仏像の特別拝観中で平安の釈迦如来はじめ鎌倉の十二神将をまじかで拝観できました。

これを東京で見ようとしたら、長蛇の列に並び拝観料も何倍も支払う必要があるでしょう。

新幹線で出かけてきた甲斐があるというものです。

悔いが残るのは、いささか体調不良で奥の院に行けなかったのです。次の機会があるのかどうか、無理をしても行っておくべきであったと帰ってからも後悔しています。

次は回廊で名高い長谷寺です。

花の寺としても有名ですが、桜は蕾が大きく膨らんでいましたが、開花までは行っていませんでした。

回廊の石段を一段づつ老骨に鞭打って、息を切らせて上がりました。

ここでお寺とは少し離れて石の遺跡を見て回りました。酒船石遺跡と蘇我馬子の墓とではないかと言われている石舞台古墳です。酒船石の造形はなんとも不思議なものです。

石舞台古墳に使用されている巨大な石を7世紀にどうやって動かしたのでしょう。合計2,300トン、最大77トンもの巨石を。

ともに飛鳥時代の石の遺跡、古代ロマンというか現代人には理解しがたいものが奈良には多く存在します。

ドルメンなら、秋田大湯のストーンサークルを見学していますが、奈良の遺跡はもっと大きな権力を感じる遺跡でした。

最後に訪れたのが今年開創1200年を迎える高野山です。金剛峯寺は訪れましたが、他の見どころは

たくさん落としているようです。

奥の院へ続く道を歩きましたが、あれは墓地を歩き回っているのですね。考えてみるといささか不気味な行為です。

他人様の墓地を歩き回るのですから普段は絶対にしない行動でしょう。

金剛峯寺は開創1200年の記念行事の準備が進められていて、作業員が大勢立ち働いていました。

庭の京都、仏像の奈良と言われているわけで、私も今回多くの仏像に出会って感動をいただきました。

そんな中、仏像の画像が1枚も無いというのはなんとも淋しいと思います。

もちろん、撮影できないのですから無いのが同然ですが、東大寺ミュージアムでいただいたパンフレットをスキャンした画像を載せておきます。

また、奈良にでかけましょう。

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