Monthly Web Magazine (Feb. 2010)
4Kシネマ用カメラ 「Red One」導入
4K digital cinema camera "Red One" joined
ハリウッドで使われている4Kデジタルシネマ用カメラを導入しました。
4Kとは、ハイビジョンの4倍の高画質で、一部の高精細映画
撮影用に使われているものです。
最近流行の3D映画でもハイビジョンと同じ画質ですから、縦横とも
その倍、面積で4倍に相当する高画質は Japan Geographic
のコンテンツの美しさを精細に表現することができます。
1月のコンテンツでは、富士山、柿田川、宮城の伊豆沼、西伊豆・南伊豆
の撮影で使用しています。
ホームページやビデオの編集、DTP作業をお手伝いください。
New contents in Jan.2010
1月の推奨レポート
Choice of this Month
Oumihachiman Choumeiji
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(Asuka Mysterious Stones, Asuka, Nara)
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Joto Area, Tsuyama, Okayama
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今月のトピックス
Topics of this month
■■■ 「夜明けと夕暮れに自然のダイナミズムを想う」 瀧山幸伸
伊豆沼・内沼は貴重な水鳥の生息地として国の天然記念物に指定されている。
寒い盛りに水鳥の撮影など気が進まないので、ついつい後回しにしていたのだが、
田中さんの蕪栗沼、湯浅さんの一ツ瀬川での鳥の生態撮影に刺激を受け、意を決して撮影に出かけた。
サンクチュアリの係員によると、現地には10万羽以上の冬鳥がいるそうで、夕方と夜明けの大集団での飛翔は圧巻だった。
映像もさることながら、日本の音百景に選ばれているように独特のサウンドスケープである。
寒いといえば、こちらもかなり寒い。
夕日の美しさは有名だが、月の入りの幻想的なこと、震えるほどの感動は寒さのせいだけではない。
堂ヶ島の日の入り
田子の月の入り
2008年8月
東京に就職している次男がお盆休みに帰省した時、屋久島へ行きたいというので、女房と次男の3人で出掛けた時の記録を約5分ほどにまとめました。
■■■ 「早春の息吹!〜ただ今、満開です」 中山辰夫
滋賀県守山市今浜にある“第一なぎさ公園”では早咲きの菜の花が満開です。
菜の花の黄色のいろどりが後ろの青い湖面と白く薄化粧した比良山系の山々に重なり、絶妙のコントラストを呈しております。
平成7年頃より、琵琶湖々岸のなぎさ公園では“年中花咲く公園”をめざし、菜の花とひまわりの植え付けを始めました。
“菜の花”は早咲きの菜種(カンザキハナ・寒咲花菜)です。
品種はアブラナ系で食用(漬物用)ですが、ここは観賞用とします。
約4000㎡の農地に、10月ごろ20人程で種まきをします。
その後、虫退治、施肥、アカバナ取り、葉落とし、などの手入れを行います。
12月下旬から2月末日頃まで、約12,000本の花が咲きます。
今年から勝部神社の火まつりに菜の花の種殻が一部使われました。
火まつりには“油用の菜の花”がメインに使われます。
昨日までは寒気の到来で寒い寒いと震え上がっていましたが、今日は陽ざしもあって出かけました。
青空の下に咲く満開の花を見ていると一瞬春が来たと勘違いを起こしそうになりました。
そして元気をもらって帰りました。
(Jan.19 2010)
勝部の火まつり〜菜種穀松明
近江八幡の八幡堀
■■■ 「綱神社に思うこと」 川村由幸
昨年の年末に、栃木県益子市に取材にでかけました。
このときの目的は益子市にある国指定の重要文化財を記録に収めようと考えていました。
西明寺の楼門と三重塔の取材を終え、車でひと山こえて綱神社に向かいました。
綱神社は室町時代の様式を残した茅葺の小さな神社、もちろん国指定の重要文化財です。
同じ境内にある綱神社の摂社である大倉神社も同様に国指定の重要文化財です。
ところが、鳥居をくぐり歩いてゆくと神社の青い屋根が見え始めたのです。
国指定の重要文化財です。このようなことがあるとは信じられず、とても悲しい気持ちになりました。
帰宅して調べてみると、なんと2009年の2月から雨漏りが発見されこのような状態のままということがわかりました。
私が訪れたのが2009年末ですから、その時点すでに10ケ月間雨漏りのする状態でブルーシートは懸けられていますが、放置されていたわけです。
隣の大倉神社も茅葺屋根に雑草が生え激しく傷んでいます。
実は、最初に取材した西明寺の楼門の茅葺屋根も素人見にも傷みが進んでいるように見えます。(上画像右)
茅葺屋根の修繕が簡単でないのは材料の調達も含め、誰でもが承知しています。
しかしながら、大切な文化財がこのように扱われていることを目の当たりにすると、怒りよりも悲しみが先行します。
文化財のメンテナンス費用はどこが負担するのでしょう?
昨年、興福寺の阿修羅像が東京に来たのも、一昨年薬師寺の月光・日光がきたのも寺の修繕費調達が主目的と聞きました。
子供手当てが不要だと言うつもりはありませんが、将来の日本人に過去の日本人の文化遺産をきちんと残してゆくこともとても重要なことと考えます。
残念ながら、この綱神社と大倉神社の取材画像はJapan GeographicにはUPしません。
早く修繕していただき、雨漏りのしない綱神社を再度取材してUPしたいと思っています。
■■■ 「いちろんさん」 高橋久美子
先月に引き続き、静岡県の郷土玩具をご紹介します。
「いちろんさん」は、作者の名前です。正確には堀尾市郎右衛門さん(代々襲名している)といいます。
静岡市・清水の郷土玩具制作者で、首人形や張り子などを作っています。
首人形は「いちろんさんのでっころぼう」と呼ばれていたとか、昔は着せ替えをして遊んだようです。
現在では入手しにくい郷土玩具になっています。
■■■ 旧中山道、板橋の宿から巣鴨「とげぬき地蔵」ウォーキング 高橋明紀代
1月中旬、都営地下鉄三田線で板橋の宿から巣鴨「とげぬき地蔵」まで半日、ウォーキングをした。
日中も寒い日であったが、好天で、歩いている間寒さを感じなかった。
■■■ 「出張こぼれ話 - バスの運転手さんなど」 野崎順次
日本海に面した町で仕事を終えて、駅前のホテルにチェックインしたのが午後4時過ぎだった。
寒く風がきつい日だったので、人気のなさそうな砂浜の夕暮れを見に行くことにした。
駅からのバスは1時1〜2本で、乗ると乗客は私一人だった。
前方がよく見える最前の席に座った。
運転手さんは40歳くらいの男性。
「この町も不景気で人が少なくなったねえ。」
と話しかけてから、15分ばかりの道中、お互いにの身の上話をすることになった。
元来、私は(特に旅行中は)孤独の感性を大切にしてむやみに人に話しかけたりしない。
亡くなった親父はタクシーに乗ると直ぐに運転手さんに話しかけていたのを苦々しく見ていたが、私もそれに近くなっているようだ。
人口が少なくなった話から、少子化の話になり、私には3人の子供がいるというと、彼は何気なく「私にも3人の子供があります、別れたけど。」という。
奥さんと離婚して子供とは会えない状況にあるようだ。
これが身の上話と人生経験の話の端緒となった。
目的地に着き、運転手さんとさよならしてから、強風の砂浜の写真を撮った。
翌日は土曜日。
仕事でお世話になった建築家が、3年前に引退してなだらかな谷間の高台に素敵な家を建てられたので、訪問した。
同じ駅から砂浜とは逆方向にバスで40分ばかりの距離である。
昼前後は2時間に1本しかない。
雑木林にひっそりと隠れるような平屋で、暖炉の2本の煙突がある。
中央に大きな居間があり、向かって左側はゲストルームで和室や石張りのお風呂もある。
右側はプライベートスペースでご夫婦の仕事部屋、寝室などである。
外壁はすさ入り土壁で、内壁は貝化石とすさを練り込んだ土壁風健康仕上げである。
帰りがけに軽トラでさらに奥の村と山道を案内してもらってから、バスの停留所に送っていただいた。
乗り遅れると3時間先の夕方の便しかないので、バスが停まっているのを見て安心した。
建築家にお別れを言って振り向くとバスの陰から運転手が出てきた。
なんと昨日の人だった。
先に気付いたのは向うだった。
運転手さんは制服姿なので、顔をよく見るまで、こちらは分からない。
とにかく、奇遇ですねえと話し込んで、ふと気がつくと発車時間を3分過ぎていた。
バスが発車し、私はもちろん一番前の座席である。
駅前まで3人のお婆さんが乗り降りした以外は二人きりだった。
お婆さんがいるときは、周囲の景色の話をして、二人きりになると、身の上話に戻った。
■■■ 酒井道夫
JRお茶の水の駅舎がどんな姿をしているのかその印象が薄い人が多いだろう。
しかし、桂離宮を褒めたことで有名なB.タウトが、先日無残に破壊された中央郵便局と同時に、この駅舎も評価していたのはあまり知られていないかも知れない。
近年のウスッぺらい改修の結果、ますます印象の曖昧な建物になってしまったけど、創建当時はいわゆるモダニズムの代表的な建築の一つでした。
戦後しばらくして荒廃したままの頃は、それでも当時のデザインポリシーを伺わせるディテールが残っていて、特にトイレなんか深い緑色のタイルを用いたお洒落なデザインだった(すさまじく汚れていたけど)。
今でも、堀を渡って順天堂側の方から遠望すると、良いフォルムを残していることが分かる。
いっときここが、まるでラブホテルのようなたたずまいの駅舎に改築されるという機運が高まり、気をもんていたけどバブルがはじけた途端にその計画は沙汰止みになった。
ここを元通りに修復する機運なんて、どう間違っても起りそうにないんでしょうねー。
■■■<猫フォト> 柚原君子
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墨田区森下の下町猫です。
高いところからすみません。
柄が悪いって?
重ねてあいすみませんね。
この柄の悪さは親譲りで実はうまれてこの方、困っておりますが、
ただ鼻が黒いだけ。
4億12億を知らなかった、
と言い切る腹黒さは持ち合わせませんので御安心を。
このマンションの塀の上に毎日乗って、
悪者を寄せ付けないセコム猫をしております。へい。
由緒正しい職業猫ですので、お近づきのほどお願いします。
しかし、
人間殿にも色柄とシッポが付いているとよろしかろうに、
と思いますな。
国会中継など三倍も楽しめますな。
質問にはにこやかに返答しながらも、
シッポを縦に振って怒っているのが丸見えだったり……
えらそうな黒柄が、実は怖くってシッポを丸めていたり……
解りやすくっていいですな。
三毛柄やゲジゲジ柄や味噌くそ柄がひな壇に並んだり、
びっくりするほど綺麗な白毛のおじさんが議事そっちのけで
毛並み整えに夢中だったら……観ていて飽きないですな。
「あなたマタタビ茶が入ったわよ!」
あ、妻が呼んでいるようです。
あなたも私にかまってないでどこかにいきなさい。
私?ゆっくり戻りますよ。猫舌なのでね、熱いお茶苦手ですから。
Japan Geographic Web Magazine
編集統括 瀧山幸伸
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